技術政策はいまだ不透明
「トランプ次期大統領」は結局、Appleの“敵”か“味方”か?(1/2 ページ)
次期米大統領のドナルド・トランプ氏の技術政策の全体像は、いまだ不透明だ。「トランプ大統領」の誕生は、IT業界にどのような影響をもたらすのか。専門家の話から探る。
次期米大統領のドナルド・トランプ氏は2016年12月、米大手技術企業のリーダーたちをニューヨークに招いて技術政策について会談した。だが同氏の技術政策の全体像は見えない。
トランプ氏は、Appleがスマートフォン「iPhone」を米国ではなく中国で生産していることを非難したり、Amazon.comのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)に対して「支配力の乱用」は独禁法違反だと指摘したりしてきた。だが同氏の技術政策は極めて不透明だ。
こうした中、ITで既存のビジネスを作り直す「デジタルビジネス」構想、2017年の予算計画などの課題で忙しい企業の最高情報責任者(CIO)は、新たな不安材料に直面している。「予測不可能性を政治的強みの源泉だ」と公言するトランプ氏が率いる政権が打ち出す政策が、IT業界にどんな影響をもたらすのだろうか、という不安だ。
「トランプ大統領」がもたらす不確実性
調査会社Forrester Researchのアナリスト、アンドリュー・バーテルズ氏は、最高情報責任者(CIO)にとって重要なのは、トランプ氏の政策そのものではなく、彼の政策がIT業界とIT企業に与える経済的影響だと指摘する。「企業がどのようなリソースをITに投入できるのかを左右するのは経済環境だ。その意味では、潜在的に大きなプラス面とマイナス面がある。個々の企業への影響という意味では、大きな不確実性につながる」(同氏)
2016年12月初めに、バーテルズ氏は2017年のIT支出の予測レポートを公表した。これは大統領選の後に立てた予測で、企業と政府によるIT関連製品/サービスやスタッフに対する支出が4.3%増加する見込みだという。大統領選挙前の成長予測は5.1%だった。この予測は、トランプ氏のライバルであるヒラリー・クリントン氏が大統領選に勝利し、バラク・オバマ大統領の政策を継続する前提に立ったものだ。
バーテルズ氏の新しい予測は、トランプ氏の2017年の政策目標が、経済にマイナス影響を及ぼすと仮定している。例えば、トランプ氏が公約通りに主要な貿易協定の再交渉を進めた場合、企業の投資が落ち込む可能性がある。また移民法の厳格化は、労働力不足の状況をさらに悪化させる恐れがある。
「減税が企業の設備投資と開発投資の意欲を高めるかもしれないが、その効果が本格的に現れるのは2018以降になる見通しだ」と同レポートは記す。バーテルズは「力強い成長の可能性があるのは確かだが、その背景には既に堅調な経済があることを指摘する必要がある」と語る。米国の失業率は2016年11月、過去9年間で最も低い4.6%にまで下がった。「これは潜在的なインフレ圧力が非常に高く、金利上昇の可能性も非常に高いことを意味する」(同氏)
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