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IT化が進まない理由――紙が残ってしまうことで、電子カルテの導入効果がダウンする:0.5歩先の未来を作る医療IT
紙カルテのワークフローを残したまま電子カルテを利用しようとすると、結果的には二度手間が生まれがちだ。電子カルテの「ITならではのメリット」を正しく理解する必要がある。
このコラムについて
医療機関のIT化は他の業界に比べて5〜10年は遅れているといわれます。また、医療現場でIT製品を導入する際、スタッフから不安の声が上がるなど、多かれ少なかれ障害が発生します。なぜ、医療現場にITが浸透しないのか。その理由を探るとともに、解決策を考えていきます。
前回「医療現場にITが浸透しない理由――新しいシステムへの恐怖はなぜ生まれるのか?」では、IT化の恐怖を生み出す原因として、次の5つを挙げました。
- IT化によって自分の仕事がなくなる
- PCが苦手だから、操作に不安がある
- 新しいものは信用できない
- 小さな組織だから不満の声が届きやすい
- システム導入効果が明確ではない
これらの原因は、そもそもIT化に対する期待と現実のギャップによって生じているのではないかと考えます。一般的に、IT化の効果として、「距離」「時間」「場所」の制約を限りなくゼロに近づけることができるという事象が挙げられます。電子カルテを例に、この3つの観点から「IT化への期待と効果」を検証してみます。
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