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製薬企業のマーケティング調査が「市場規模把握」で終わってしまうのはなぜか製薬企業のマーケティングを変えるデータ活用【第1回】(1/2 ページ)

製薬企業が新薬を上市する際、市場調査が「市場規模把握」にとどまってしまい、マーケティング戦略を決め切れなくなるケースが少なくないという。医療用医薬品業界のデジタルマーケティング専門家が解決策を説く。

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連載について

 製薬企業のプロモーションの在り方や行動基準を示した「医療用医薬品プロモーションコード」の厳しい規制の下で、製薬企業のMR(医薬情報担当者)やマーケティング担当者は適切な情報提供の在り方を模索している。eディテーリング(電子的な情報提供活動)ツールやメールマガジン、オウンドメディアなど、さまざまな情報提供の効果を判定するためには各活動の中で得られたログの分析が必要だ。だが十分な分析ができており、かつ分析結果を十分に活用できている製薬企業は多くない。

 本連載では、製薬企業の医療用医薬品ビジネスにおけるB2Bマーケティングの現状と課題を整理し、ITツールやデータの活用によってマーケティングの投資効果を高める解決策を探る。

製薬企業のマーケティングを変えるデータ活用(連載インデックス)


 製薬企業が製剤上市や適用拡大などのプロジェクトを進める際には、他業界と同様にマーケティング調査を実施します。しかしプロモーションの視点から見ると、多くの場合で見落としているポイントがあるように筆者は感じています。他業界と比べて医療用医薬品業界は、戦略設計に時間をかける傾向が強いために、マーケティング調査も頻繁に実施しています。ただし、その結果を見ると「市場ポテンシャル(市場規模)の把握」にとどまっているケースが少なくないようです。

 本来ならば、情報が確実にターゲットに届くよう、マーケティング調査の実施前に、

  • 製品や売り込みたいターゲットなどについて仮説を立てる
  • その仮説を基に「クリエイティブのキーメッセージ」や「キラーコンテンツ」のアイデアを創出する。
  • 「そのキーメッセージが本当にターゲットに刺さるのかどうか」「態度変容を起こさせるコンテンツはどのようなものか」といったことまで検証する

といったプロセスを経るのが望ましいはずです。なぜ、医療業界では施策前の調査が、マーケティング調査ではなく市場ポテンシャル調査にとどまってしまいがちなのでしょうか。その原因と対策を探ってみます。

市場ポテンシャル調査にとどまってしまう原因

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