VDI経由の提供は避けた方がいいケースも
アプリケーション仮想化か、ローカルPCへのインストールか、それが問題だ
新しいアプリケーションをユーザーに提供するベストな方法を決めるのは難しい。VDI経由でアプリケーションを利用できるようにする方が良い場合もあれば、ローカルにインストールするのが最適な場合もある。
大抵の企業は、ユーザーに新しいアプリケーションを提供する方法として複数の選択肢を用意している。アプリケーションとそのユースケースによっては、VDI(仮想デスクトップインフラ)を利用してアプリを提供するのが理にかなっている場合もある。一方、ユーザーのPCに直接アプリケーションをインストールする方が適切という場合もある。
めったに生じる状況ではないが、管理者が同じアプリケーションを一部のユーザーにはVDIで提供し、他のユーザーにはローカルで使用できるように設定することもできる。
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とはいえ、この選択は必ずしも難しいわけではない。企業のユーザーがゼロクライアントを使って業務をしているなら、IT担当者はVDIでアプリを提供する必要がある。というのも、ゼロクライアントではローカルでアプリケーションを実行できないからだ。正反対のケースで、管理者がVDIを全く使用していない場合、特定のアプリケーションを提供するためだけの目的でVDIを実装するのは合理的でないだろう。
両極端な2つのケースを挙げたが、実際には大半の企業がこの2例の間のどこかに落ち着く形になる。一部の領域ではVDIを使用し、他の領域ではローカルのアプリケーションを使用するといった具合だ。とはいうものの、ある時点で、IT管理者はどちらの方法でアプリを提供するのが自社にとって最適かを決めなければならない。だが、非常に多くの検討事項が存在するため、大抵の場合、新しいアプリケーションをVDIで使用するか、ローカルにインストールするかの判断は極めて決め難いものになる。
VDIでアプリケーションを提供するケース
VDI最優先のポリシーが存在している場合、VDIと連係しないためにローカルにインストールせざるを得ない特定のアプリケーション以外は、ユーザーのデバイス上で直接実行できないことがある。その場合、管理者はVDIを使用することになる。また、ユーザーがローカルで使用しているアプリケーションが、WebブラウザやVoIPアプリケーションのように単純なものしかない場合も、VDIが適している。
Appleの「Mac」やモバイルデバイスなど、Microsoftの「Windows」以外のデバイスでユーザーが作業する場合、管理者がWindowsアプリケーションを提供するにはVDIが必要になる。こうしたデバイスでは、Windowsアプリケーションをローカルにインストールできないためだ。また、Windowsアプリケーションを実行することのみを目的としてWindows搭載のノートPCやデスクトップPCを各従業員に追加支給するよりも、仮想Windowsアプリケーションを提供する方がずっと効率である。
最後に、管理者がオンプレミスのアプリケーションをビジネスパートナーに提供しなければならない場合はVDIを使用すべきだ。VDIを使用すると、パートナーが自前のPCでアプリケーションにアクセスできるようにしながら、アプリケーションとデータは管理者がより詳細に管理できるオンプレミスに保持することができる。
VDIを使用すべきではないケース
VDIアプリケーションにアクセスするには、ユーザーはデータセンターへのネットワーク接続が必要になる。こうしたネットワーク接続を実現できない可能性がある場所はまだ数多く存在している。例えば、ユーザーが遠隔地で作業する場合などだ。また、小規模な企業にとってはコストが高過ぎるということもあり得るだろう。このような場合は、ローカルでアプリケーションを使用する方が適切だ。
ほとんどのVDI製品は一部のUSBデバイスと互換性がある。また、ほぼ全てのVDI製品ではキーボードとマウスを使用することができる。ただし、ユーザーがPCに接続したいと考えているが、VDIで利用できない周辺機器は多い。その例としては、汎用(はんよう)インタフェースバスで接続するデバイスとPCIデバイスの2つが挙げられる。クライアントにカスタムPCIカードを必要とするアプリケーションはVDIでは使用できない。この問題が当てはまるケースはそれほど多くない。だがこの点が問題になるならVDIを使用することは不可能だ。
VDI製品は、2017年までの数年間でグラフィック処理機能に関して大きな進歩を遂げている。GPUを搭載できるようになったことと、リモートディスプレイの高速化機能によって、IT担当者はより多くの種類のアプリケーションをVDI経由で提供できるようになった。とはいえ、このような製品を実装すると高いコストが掛かる。ユーザー数の少ないアプリケーションの場合は、VDI経由でアプリケーションを提供するより、ワークステーションクラスのグラフィックスカードを搭載したPCを各ユーザーに支給した方がコスト効率の面で優れている可能性がある。
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