それはやはり「Creators」ですから
「Windows 10 Creators Update」の新機能にIT部門が“真顔”の理由
企業のIT担当者は、新しい「Windows 10 Creators Update」に対して先進的なセキュリティツールなどの新機能を期待した。だが実際の内容はそうではなかったようだ。
Microsoftが4月10日の週に配信した「Windows 10 Creators Update」は、企業におけるIT担当者の期待を満たすほど多くの新しい業務向け機能を提供していなかった。「Windows Defender Advanced Threat Protection」(ATP)やOSの更新プロセスを改良したものの、Windows 10 Creators Updateに期待されていた他の機能がなかったことで、IT担当者は落たんしている。
Windows 10 Enterpriseを使っている公益企業でITディレクターを務めるマット・コーシュト氏は「大した内容はない」と言い切った。「多少はきれいになり、パフォーマンスを向上させるために手を加えた部分も多数ある。だがその大部分は個人ユーザー向けのようだ」(コーシュト氏)
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Windows 10の「アップデート」を巡る騒動
コーシュト氏はWindows 10 Creators Updateをダウンロードする前まで、例えば「Microsoft Edge」の「Windows Defender Application Guard」のような先進的な機能を期待していた。この機能はEdgeブラウザを仮想マシンで実行し、他のOSと切り離すことによってデバイスをWebベースのマルウェアから保護する。
「それがWindows 10に実装すればユーザー企業にとって大きなメリットになっていたはずだ」とコーシュト氏は語る。
Microsoftは2016年9月のIgniteカンファレンスでWindows Defender Application Guardを発表し、この機能を2017年中にリリースすると説明していた。だがWindows Defender Application GuardはWindows 10 Creators Updateには導入しなかった。次のアップデートにはこの機能の実装を望むとコーシュト氏は言う。Microsoftは5月に開くBuildカンファレンスで、次のアップデートについてさらに多くの情報を明らかにする見通しだ。
Windows 10のセキュリティダッシュボード
Windows 10 Creators Updateでは、Windows Defender ATPのための新しいダッシュボードとして「Security Center」が登場し、IT部門がユーザーのプロファイルやPCの状態をさらに見通せるようになった。Security Centerではマルウェアやウイルスをスキャンして、デバイスやネットワークを脅かすような異常な挙動があれば警告が出るように管理者が設定できる。
Windows Defender ATPの難点は、サブスクリプションベースの有料サービスである点だ。「大企業は既にサードパーティーのウイルス対策やエンドポイント保護ソフトウェアを導入済みでそれを使い続ける公算が大きい」と予想するのは、Windows 10を使っているFive Nines IT Solutionsの社長兼最高経営責任者(CEO)、ダグ・ゴスフィールド氏。
「Windows Defenderの進歩は印象的だが、サードパーティー製品が見劣りするまでには至っていない」(ゴスフィールド氏)
Windows 10の更新を巡るコントロール
Windows 10の更新が自動的にダウンロードされ、インストールされてしまうことをコントロールできない点について、ユーザーはMicrosoftを非難してきた。「Active Hours」という機能では、Windows 10の更新とPCの再起動が行われない時間をユーザーやIT部門が指定できる。これまでは12時間以内の範囲でしか指定できなかったが、Windows 10 Creators Updateでは18時間までの範囲で指定できるようになった。
Moor Insights and Strategyの社長兼主席アナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏は「大企業にとっても小規模企業にとってもこれは非常に歓迎できる。標準勤務時間が決まっていたとしても、例えば午後8時のパーティーでプレゼンテーションを予定していたとする。ところがそこでPCを更新すれば、プレゼンテーションは難しい」と述べている。
Windows 10のプライバシーオプション
Microsoftはまた、Windows 10 Creators UpdateでWindows 10にまつわるプライバシー不安に対応した。Windows 10は、これまでユーザーの電子メール、Web閲覧履歴、アプリといった情報を、バックグラウンドでMicrosoftに送信していた。
Microsoftはユーザーの不満を解消する狙いで、Windows 10 Creators Updateに新しいプライバシーコントロール機能を追加した。IT部門やユーザーは、OSが収集するデータの量を制限できる。組織がWindows 10を初めてアップグレードしたりインストールしたりする場合、メニューを表示して、位置情報や診断情報、使い方のヒント、広告などに関するデータの共有をユーザーやIT部門が無効にできる。
「これで一部のユーザーの不満は和らぐだろう。大企業では、管理ツールで何よりも前にそれをコントロールできる」(ムーアヘッド氏)
Windows 10 Creators Updateのそうした新機能に加え、Microsoftは透明性を高める狙いで、同社が収集するさまざまなデータの種類を公開する。
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