共生のためのベストアンサーは?
「Slack」はオフィス電話を終わらせるか――次世代コラボツールの影響を見る
ビジネスメッセージングでは、従来の電話中心のリアルタイムコミュニケーションに対抗するアプローチが台頭している。Webベースメッセージングが新たなコラボレーション方法を提供する。
コラボレーション分野は常に流動的なようだ。ユニファイドコミュニケーション(UC)が統合型コラボレーションサービスの最初の基準を打ち立てた。UCはテレフォニーが中心なので、リアルタイムコミュニケーションに重点が置かれていた。だが最近では、この基準は変わってきている。「Slack」「HipChat」「Bitrix24」「Redbooth」など、さまざまなメッセージングプラットフォームが登場してきたからだ。
テレフォニー中心のUCプロバイダーも、「Cisco Spark」「Circuit」「Zang」「MiTeam」といった類似製品で追随した。しかも、MicrosoftやGoogle、さらにはFacebookも同様の製品を投入し、こうしたコラボレーションツールはトレンドを超えて定着しそうな勢いだ。
製品競争の行方は不明だが、これらのツールは、人々のコミュニケーションに関する長年の基本的前提に疑問を投げ掛けている。こうした新製品が人気を呼んでいる主な理由は、テレフォニー中心型ではなく、メッセージングや他のWebベースチャンネルを使用しているからだ。
音声は依然としてパーソナルコミュニケーションの最良のチャンネルだ。だが、今日ではテレフォニーは、随時手軽にコミュニケーションを取りたい場合には使いづらく、メッセージングプラットフォームの方が効率的だ。
ユーザーの好みがメッセージングのような「近リアルタイムアプリケーション」にシフトする中、リアルタイムコミュニケーションはもう重要ではないのだろうか。このことを理解するために、2つの基本的な違いを見てみよう。
コラボレーション方法は1つではない
コミュニケーションを取る際は、口頭でやりとりする必要があまりない場合や、それほど急いでいない場合もある。これらの場合は近リアルタイムで十分だ。メッセージングプラットフォームはこうしたシナリオで、タスク全体をサポートしたり、包括的なUCプラットフォームと組み合わせたりするのに最適だ。
また、仕事のペースが速い職場では、効率が最優先され、多くの場合、メッセージングが最良のコミュニケーションモードとなる。永続的であり、人々が日常的に使うデバイスから利用できるからだ。
卓上電話は、メッセージングが提供する効率性のレベルに太刀打ちできず、他の音声モードもメッセージングほどシームレスではない。そのためにユーザーは、音声コミュニケーションの即時性や直接性と、メッセージングの効率性をてんびんに掛け、後者の方が重要と判断したときはメッセージングを利用しようとする。
こうした判断の結果としてのメッセージングへのシフトは、世代的な傾向がかなり強く、若い世代ほど顕著だ。メッセージングアプローチによるコラボレーションが職場でどのくらい広がるかを見極めるには、職場の年齢構成を考慮する必要がある。
統合プラットフォーム vs. スタンドアロンプラットフォーム
IT部門がメッセージングプラットフォームとUCの最も重要な違いを理解するには、統合プラットフォームとスタンドアロンプラットフォームの対比の観点が欠かせない。UCは本質的に、電話システム、デスクトップ、ビジネスプロセスなど、他のものと統合されるように構築されている。その環境全体にわたってテレフォニーが機能することから、リアルタイムコミュニケーションが常に可能だ。
これに対し、メッセージングプラットフォームは完全にWebベースであり、大部分はIT部門の管理が及ばない。これはメッセージングの大きな魅力となっている。誰でも利用でき、多くの場合、IT部門を通さずに済む。
このプラットフォームは、メッセージングのためだけのプラットフォームと考えられがちだが、実はUCよりも豊富なアプリケーションエコシステムをサポートしている。ただし、厳密には、そうしたアプリケーションの大半はコラボレーションとは無関係で、それらの利用はIT部門ではなく、ユーザー自身が定義している。
メッセージングプラットフォームは、Webベースの柔軟性も魅力となっている。音声コミュニケーションもサポートしているので、ユーザーはリアルタイムと近リアルタイムの両方のオプションを利用できる。実際、Slackなどのプロバイダーは、両方のモードのコラボレーションを可能にしており、このことが市場の状況をさらに複雑にしている。
言い換えればこの市場は、「UCのみがリアルタイムニーズに対応し、メッセージングプラットフォームが近リアルタイムニーズに対応しており、ユーザーは両者のいずれかを選ぶ」という図式では捉えられない。IT部門はコラボレーションについて計画するに当たって、ユーザーやプロバイダーによる管理をどのくらい認めるかを検討する必要がある。
ユーザーがSlackなどのメッセージングサービスを使って、リアルタイムのコラボレーションを行えるのは確かだ。しかし、このソリューションは、自社のネットワークやビジネスアプリケーションとの深い統合が欠けている。
自社のプライオリティが、“レッセフェール”(自由放任)のアプローチでコラボレーションを進めることにあるなら、IT部門は、メッセージングシステムとUCシステムの利用を認めることで、両者のいいとこ取りができる。
だが、統合されたコラボレーションモデルによってビジネスレベルの目標(アジリティ、生産性、コスト管理など)をサポートする必要があるなら、IT部門はより現場に関与するアプローチを取り、ユーザーへの働きかけにより、メッセージングプラットフォームの利用を近リアルタイムコラボレーションに限定し、UCを使ったリアルタイムコラボレーションが継続されるようにする必要がある。
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