VDI環境で直面しがちな課題と解決策
「Windows 10」への移行に失敗するVDIユーザーは、何を見落としているのか?(1/2 ページ)
仮想デスクトップインフラ(VDI)を活用する企業では、「Windows 7」から「Windows 10」への移行で痛い目に遭う可能性がある。その原因と回避策を探る。
仮想デスクトップインフラ(VDI)を利用する企業の中には、「Windows XP」から「Windows 7」への移行で苦労したところが少なくない。VDI環境では一般的に、仮想デスクトップのユーザープロファイル(レジストリなどの設定情報群)やアプリケーションをサーバで一元管理する。そのユーザープロファイルやアプリケーションが、新OSでそのまま利用できない場合があるのだ。今後は多くの企業で進むであろう、Windows 7など現行OSから「Windows 10」への移行も、スムーズに進めるにはユーザープロファイルとアプリケーションの移行が鍵を握る。
Liquidware Labsの「ProfileUnity」や「FlexApp」のようなツールはIT管理者にとって、仮想デスクトップのOSをWindows 10へ移行する際に、ユーザープロファイルやアプリケーションをスムーズに移行するのに役立つ。VMwareのユーザー会「VMware User Group」(VMUG)が2017年6月初めに開催したカンファレンス「Boston VMUG UserCon」では、こうしたツールの技術が詳しく紹介された。グローバルでITサービスを提供するDXC Technologyでシニア仮想化エンジニアを務めるジェレミー・クーチュア氏は「異なる環境間で素早く簡単に移行できれば助かる。こうした技術は、Windows 10への移行プロジェクトで重宝しそうだ」と評価する。
併せて読みたいお薦め記事
「Windows 7」から「Windows 10」への移行についてもっと詳しく
- 「Windows 7」にしがみつく人は何を心配しているのか
- Windows 7を忘れられない人でも「Windows 10」をしぶしぶ認めざるを得ないのはなぜか
- Windows 10移行“見送り派”ユーザーがWindows 7を安心して使い続けるには?
「Windows 10」のセキュリティリスク
最初のステップはリソース使用状況の評価
VDI環境におけるWindows 10への移行では、IT部門はエンドユーザーのユーザープロファイルやアプリケーションについて考える前に、エンドユーザーがどれだけのリソースを使用しているかを理解しなければならない。「IT管理者は、特定の部門におけるストレージの平均使用量やIOPS(1秒当たりのI/O処理件数)を算定するだけでなく、個々のエンドユーザーの働き方も把握する必要がある」。Liquidwareのシニアソリューションアーキテクトを務めるマット・ボヤジアン氏は、こう語る。
例えばアプリケーションを小まめに閉じたり、開くWebブラウザの数を抑えたりしてリソースを少ししか使用していないエンドユーザーもいれば、常にアプリケーションを大量に開いているエンドユーザーもいる。「エンドユーザー間の違いを理解しなくてはならない。彼らはどんなやり方で仕事をしているのか、自社のリソース利用の特徴は何かを見極めるとよい」(ボヤジアン氏)
こうした評価を効果的に進めることで、IT部門はインフラの過剰構築や不足に陥らないで済む。インフラを過剰に構築すると、エンドユーザーが必要とする以上のリソースを用意することになり、無駄なコストが発生してしまう。逆にインフラが貧弱だとパフォーマンスが損なわれ、エンドユーザーの満足が得られない。
ユーザープロファイルをスムーズに移行するには
異なるOS間でユーザープロファイルの互換性を確保する最良の方法は「移動ユーザープロファイル」(「ローミングユーザープロファイル」とも)を使うことではないか、と考える人もいるだろう。移動ユーザープロファイルは、ユーザープロファイルをOSから切り離す。これにより、エンドユーザーはさまざまなデバイスから自分のユーザープロファイルを利用できる。実施、VDI環境では移動ユーザープロファイルが利用されることが少なくない。
だが移動ユーザープロファイルには考慮すべき問題がある。移動ユーザープロファイルを使う場合、仮想デスクトップとサーバ間でネットワークを介して、レジストリを含むデータをやりとりすることになる。その際に「ネットワークやストレージでちょっとした問題が発生することもあるし、エンドユーザーがうっかり電源を切ってしまう場合もある。そうなればレジストリが破損してしまう」とボヤジアン氏は説明する。
LiquidwareのProfileUnityは、レジストリの内容をREGファイルとしてエクスポートする。このREGファイルは、レジストリを幾つかに分割したもので、それぞれがレジストリの異なる部分を表す。そのうち汎用(はんよう)的な部分は、Windowsのどのバージョンにも適用できる。他の部分は用途が限定されており、特定のサービスパックを適用したWindowsでしか動作しない。
こうしたレジストリの分割により、IT部門はエンドユーザーに対して、特定バージョンのWindowsで特定アプリケーションを実行するのに必要な要素を全て提供できる。さらにレジストリのバックアップも取得できる。「これならユーザープロファイルを扱うプロセスには何の心配もない」と、DXC Technologyのクーチュア氏は語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
2
世界のデータセンター容量は5カ国に69%集中、電力消費「5%の壁」が招くものとは?
-
3
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
4
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
8
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
9
AIをデータ保管場所の近くに置くと安全で経済的 それでも残る“破滅的リスク”
-
10
テレワークやBYODでリスクが拡大、デバイスの多様化を弱点としない管理方法とは
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー