米国医療機関が電子カルテ更新に合わせて無線LAN製品をアップグレードした理由:802.11ac Wave 2アクセスポイントを導入
Medical Center Health System(MCH)はCisco SystemsのWi-Fiネットワークをリプレースし、Aruba NetworksのWi-Fiネットワークに移行した。その目的と導入効果とは?
米国テキサス州西部で最大級の規模を誇る医療センターであるMedical Center Health System(MCH)は、Wi-Fiネットワークをリプレースした。その目的は、職員と来院者をサポートし、アプリケーションを追加するのに十分な容量を確保することだ。また、職員と機器を追跡するモノのインターネット(IoT)戦略の実現に備える狙いもあった。
テキサス州オデッサにあるMCHは、人口16万人のオデッサの各地に28棟の建物を所有している。同医療グループが運営する病院は400以上の病床を備え、テキサス州西部の過疎地17郡を網羅している。その病院であるMCH Odessaでは堅牢なワイヤレスネットワークの基盤を必要としていた。このワイヤレスネットワークは、需要と要件の変化に合わせて拡張できる必要もあった。なお、この新しいネットワークではMCH Odessa全体で、最大2500人のユーザーを同時にサポートすることができる。
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新しいWi-Fiネットワークの選択
MCH Odessaは、過去10年間にわたってCisco Systemsのワイヤレスネットワークを使用していた。だが、病院のWi-Fiネットワークに接続するユーザー数の増加に伴い、ワイヤレスの機能をアップグレードする必要性が明らかになっていた。以前のネットワークにおける最大の問題は、切断と劣悪な接続品質だった。患者と来院者によるWi-Fiネットワークへのアクセス方法を改善することはできたが、MCH Odessa自体は、医師がワイヤレスデバイスを使用できるようにするという難題に直面していた。
MCH Odessaは、2016年にワイヤレスの需要について評価を始めた。電子カルテ(EMR)機能をアップグレードする必要性に後押しされたところもある。そう話すのは、MCHでシニアバイスプレジデントとCIOを兼務するゲイリー・バーンズ氏だ。2017年4月1日に運用を開始した新しいクラウドベースのEMRでは、帯域幅を増強しなければならなかった。また、MCH Odessaでは既存の仮想デスクトップインフラのサポートを増やす必要もあった。
MCH Odessaでは、Vocera CommunicationsのVoIPソフトウェアなど、ビジネスクリティカルなアプリケーションをサポートできるWi-Fiシステムも必要としていた。さらに、このWi-Fiシステムには、医療機器と職員を追跡するIoT戦略に対応できることも要求されていた。
最終的に、MCH Odessaでは、次のようなワイヤレスシステムを必要としていた。まず、ユーザーアクセスのレベルが階層化されること。次に、職員と来院者用にネットワークをセグメント化できること。そして、異なる水準のパフォーマンスを提供できることだ。今のところ、MCH Odessaは来院者にネットワークの使用料を請求している。これは、新しいネットワークの高帯域幅によるコストを補うための対応だ。
病院のWi-Fiネットワークの実装
Hewlett Packard Enterprise(HPE)の子会社であるAruba NetworksがPoC(Proof of Concept:概念実証)の試験に成功した後に、MCH OdessaのIT部門は、サードパーティーの導入業者と連携し、古いCiscoのネットワーク機器をArubaの機器にリプレースした。
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