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「無線LANの通信速度が思ったほど速くない」、その原因と解決策は?:クリニックの無線LAN設定、お悩み解決塾【第3回】(1/2 ページ)
無線LANの通信速度の低下は、電波干渉、接続端末台数、何らかのボトルネックの存在に由来することがほとんどです。無線LAN接続の仕組みを基礎からおさらいして、問題の切り分け方と対処法を学びましょう。
連載について
スマートフォンやタブレット端末は多くの医療機関で活用が進んでいます。しかし導入の際に大きな課題となるのが無線LAN設定。思ったような通信速度が出なかったり、無線LANアクセスポイントの管理やセキュリティ設定に苦労したりと、無線LANの導入と無線機器の設定にはさまざまなトラブルが起こりやすいものです。本連載では、クリニックや中小規模病院における無線LANの導入をテーマに「ここが困った」を解消する情報をお届けします。
無線LANトラブルの原因は、大別すると下記の2つに分けられます。
- 無線LAN機器同士の電波干渉
- 接続する無線端末(注)の台数増加と、端末の混在によるスループット低下
※注 本稿ではノートPC、スマートフォン、タブレットなど、無線通信機能を持つクライアント端末を指します
「無線LAN機器同士の電波干渉」の例としては、
- 院外の無線LANアクセスポイント(以下、無線AP)との電波干渉
- 患者や医療従事者が持ち込んだモバイルルーターとの電波干渉
- 院内の無線APを適切な場所に設置していないことに起因する電波干渉
などが挙げられます。無線LAN機器ではないですが「電子レンジのそばに無線APを設置した」といったケースも、ここに分類しても構わないでしょう。
無線APから直接端末へ届く「直接波」と壁などの障害物に当たって届く「反射波」の干渉や、反射波と反射波の干渉などといった電波干渉も起こります。運悪く位相が逆になって打ち消しあうポイントでは、極端に電波強度が低下します。これは端末の位置を少し変えることで解決しますので、特定の場所で通信速度が出ない場合はこのケースに該当している可能性があります。
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