活用に向けての課題を新技術で解決
モバイル導入とVDIの“鬼門”をどう避ける? 必要なインフラとは(1/2 ページ)
VDIやエンタープライズモビリティを実現し、活用するには、IT部門は質の高いユーザーエクスペリエンスの提供や、モニタリングツールの統合など、多くの課題に対処しなければならない。
エンドユーザーコンピューティングは、さまざまなデバイスを使って各種のアプリケーションにアクセスする従業員に、シームレスなエクスペリエンスを提供することを目指している。だが、こうしたエクスペリエンスの提供に必要なITインフラサービスは、シームレスとは程遠い。
仮想デスクトップインフラ(VDI)では、ストレージとネットワーキングが導入や運用の鬼門であることがよく知られている。コンバージドインフラや、帯域最適化技術の進歩により、それらの問題の多くは解決されているが、仮想デスクトップやアプリケーションの管理は複雑化する一方だ。また、モビリティは企業に対し、ネットワークアクセスやデータストレージ、セキュリティなどのアプローチの見直しを迫っている。多くのIT担当者は、エンドユーザーコンピューティング技術を導入して初めて、ITインフラサービスに要求されるこうした変更の内容や規模を理解する。
「ほとんどの組織は苦境に陥るまで、自分たちが取り組んでいることがいかに大変か分からない」と、モビリティ調査会社Sepharim Groupのボブ・イーガンCEOは語る。
VDIのもぐらたたき
VDIではこれまで、仮想デスクトップをサポートできるI/Oと容量を備えた外部ストレージアレイのコストが高くつき、それが広範な導入の妨げになっていた。ネットワークの遅延も、ユーザーエクスペリエンス(UX)の低品質化につながり、そのせいで失敗に終わったVDIプロジェクトも多い。
だが、こうした問題は、もはや導入の障害ではなくなっている。データ重複排除やオールフラッシュアレイのおかげで、VDIにおけるストレージは、容量、パフォーマンス、コストのいずれについても大幅に改善が進んだ。ネットワーク遅延に起因するUXの問題に関しても、リモートディスプレイプロトコルや、クライアント側のグラフィックス処理の進化によって、大部分が対処された。
さらに、VDIの導入、運用の在り方を大きく変えたのが、コンバージドインフラやハイパーコンバージドインフラの台頭だった。これらのシステムでは、仮想デスクトップのサポート要件を満たす、適切な量のサーバ、ストレージ、ネットワークリソースが統合されている。そのため、VDIをシンプルに実装し、簡単にスケーリングすることが可能だ。
「こうしたシステムは、ユーザー数に応じて十分な数を購入すれば、後は簡単だ」。ニュージーランドで仮想化の研修講師やコンサルタントとして活動するアラステア・クック氏はそう語る。
だが、もぐらたたきのように、ITインフラサービスのある問題が解消しても、別の問題が現れ、VDIの導入、運用はさらに複雑になる。
例えば、企業は、仮想デスクトップやアプリケーションをサポートするハードウェアアクセラレーテッドグラフィックスの必要性を見落としがちだと、Proactのシニアソリューションアーキテクトを務めるクリスチャン・モーン氏は指摘する。同社はノルウェーのソリューションプロバイダーだ。GPUはもともとグラフィックス集約型アプリケーション向けに設計されたが、その高い処理能力が物理と仮想両方のあらゆるタイプのアプリケーションに役立つようになっている。
「今では、『Microsoft Office』やWebブラウザもハードウェアアクセラレーテッドグラフィックスを使用する。GPUを利用するソフトウェアがますます増えている」(モーン氏)
こうしたGPUへの依存の結果として、企業がVDIの基盤として利用できるハードウェアは限られることになる。全てのサーバが3Dグラフィックスをサポートするわけではないからだと、モーン氏は説明する。こうした技術はVDIプロジェクトのコストを押し上げるという。IT部門はこれらのファクターを考慮し、前もってコスト計画を立てなければならない。VDIを展開している途中で、予想外のコストが発生するのを避けるためだ。
さらに、仮想デスクトップやアプリケーションの管理は複雑化している。VDIを利用している先進的組織は、モニタリング、アプリケーションレイヤリング、データ管理、ユーザーパーソナライズといったツールを組み合わせて使っている。多くの製品(さまざまなベンダー製である場合が多い)を扱うと、VDIの利用において以前は悩みの種となっていた、ネットワーキングやストレージの問題に対処するのと同じくらいストレスがたまることもある。
この点に関して、企業はクラウドを魔法の特効薬と考えてはならない。DaaS(Desktop as a Service)は、デスクトップとそのサポートインフラをクラウドでホストするが、現在利用されている高度な管理機能全てをサービスとして提供するわけではないと、クック氏は指摘する。
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