2-in-1にあって、タブレットにないもの
「2-in-1ノートはタブレットの代わりになるか」は愚問? 思い出したい “決定的な違い”
2-in-1ノートPCはタブレットモードとノートPCモードの2つに切り替えられるのが特徴だ。だからといって本当に、2-in-1ノートPCはタブレットの代わりになるのだろうか。
2012年にMicrosoftが「Windows 8」をリリースしたことで、タッチ操作可能なデバイスが市場に現れ始めた。中でもLenovoの「IdeaPad Yoga 13」は、本当の意味で初の2-in-1ノートPCだった。このノートPCは360度回転する独特なヒンジを備え、ディスプレイと本体裏面を背中合わせにぴたりと閉じて、タブレットモードにできる。その後、Dellの記念碑的な2-in-1「XPS 12」など、他の企業も同様のコンセプトで追従するようになった。どの企業の考え方も、主にノートPCとして使用しながら、臨機応変にタブレットに切り替えられるデバイスを目指している。
本稿では、最適なデバイスを購入できるよう、2-in1ノートPCを再評価する。具体的には、2-in-1ノートPCが実用的なタブレットの代わりになるかどうかに注目する。
さらに、2-in-1ノートPCか、着脱可能キーボードを備えるタブレットかで迷っている場合は、TechTargetの記事「iPad、Surfaceで賛否両論 タブレットをノートPCとして使うべき理由、使うべきでない理由」も参考にされたい。
大きくて重い2-in-1ノートPC
2-in-1ノートPCをタブレットの代わりに使おうとすると、その大半は仕事に使うには大き過ぎ、重過ぎるということになる。例えば、Appleの12.9型「iPad Pro」(2017年モデル)を考えてみる。同機は、タブレット専用デバイスとしては最も大きい部類に入る。それでも、厚さは6.9ミリ、重さは713グラムしかない。最近発表されたMicrosoftのSurface(2017年モデル)はわずかに大きいとはいえ、最も薄いバージョンの厚さは8.5ミリで、重さは約768グラムある。さらに、Googleの「Android」搭載のLenovoの安価なタブレット「Lenovo Tab4」など、市場にはもっと小型のタブレットが数多く出回っている。
そこで、市場最軽量の2-in-1ノートPC、Lenovoの「ThinkPad Yoga 370」とさまざまなタブレットを比較してみよう。ThinkPad Yoga 370は13.3型ディスプレイを備え、厚さ18.2ミリ、重さ約2.6キロになる。重さはiPad Pro(2017年モデル)の2倍もある。確認できる中で最軽量は、東芝の12.5型2-in-1ノートPC「V82/D」の1.099キロだ。ちなみに厚さは15.4ミリある。
1.099キロという重さはそれほどでもないように見えるが、1キロの重りを長時間持ち続けることを想像されたい。そう考えれば、できるだけ軽い方が良いと感じるのではないだろうか。これを踏まえてデバイスを試すのであれば、最寄りのAppleストアに足を運んでiPadを持ち上げてみてほしい。次は量販店に向かい、見つかる中で最も小型の2-in-1ノートPCを持ち上げてみよう。間違いなく、2-in-1ノートPCの大きさと余分な重さが気になるはずだ。
タブレットを手に取って気になるのはその薄さだ。先ほどのV82/Dは12.5型ノートPCとしてはかなり薄型だが、Surface(2017年モデル)の約2倍の厚みがある。専用タブレットと比べて2-in-1ノートPCが厚くなるのは、大部分はキーボードに原因がある。
基本的にデバイスをタブレットとして最大限に生かしたいなら、固定式キーボードは無用の長物である。ただし、キーボードが着脱可能であれば、ノートPCモードをメイン、タブレットモードをサブとして使用する2-in1ノートPCの強みになる。キーボードに関しては、もう1つ注意すべき点がある。
キーボードが露出する問題点
現在販売中の2-in-1ノートPCの大半は、タブレットモードにするとキーボードが露出した状態になる。これはヒンジが360度回転し、PCとディスプレイを背中合わせにして折りたたむ製品の大半に当てはまる。
当然、このようなノートPCは、ディスプレイを折りたたんだ状態ではキーボードとタッチパッドが反応しないよう調整されている。だが、露出していることは変わらない。言うまでもなく、キーが露出していれば、タブレット状態での使い心地が悪くなる。中には、長い間使っているとキーが壊れるものさえある。
今のところ、キーボードが露出する問題を緩和しようと動いているのは、ThinkPad Yogaシリーズで「リフトンロック(Lift'n' Lock)」キーボードを採用するLenovoだけだ。リフトンロックキーボードは、ディスプレイを折りたたむと、キーの周囲にあるキーボードフレームがキートップと同じ高さまで立ち上がるようになっている。手触りが完全に滑らかになるとはいえないものの、キーが突き出した状態よりははるかに良くなる。いずれにせよ、大半の2-in-1ノートPCのキーボードが露出し、表裏で感触が異なる事実は、タブレットの完全な代わりにはならないと感じさせられる。
要点と結論
最後に、本稿の要点をまとめておこう。本稿では、固定式キーボードを備えた2-in1ノートPCを取り上げてきた。
•最軽量の2-in-1ノートPCでも、Surface(2017年モデル)など、タブレットファーストのデバイスに比べて圧倒的に厚く重い
•ヒンジが360度回転するデザインの2-in-1ノートPCだと、タブレットモードでキーボードが露出した状態になり、使い心地が悪くなる
このようなことは、明らかで当然のように思える。だが本稿の目的は、新たなデバイスを選ぶときに、本当に必要な要素に優先順位を付けられるようにすることだ。つまり、デバイスの普段の使い方が重要になる。デバイスを1日中手に持って使う予定であれば、これまで説明してきたように、2-in-1ノートPCよりもタブレットファーストのデバイスを選ぶことになる。Surface(2017年モデル)とiPad Proの2つが選択肢としては優れているだろう。
ただし、ノートPCとして使うことが多いのであれば、タブレットファーストのデバイスが最適ではない場合もある。2-in-1ノートPCが最高のタブレットではないのと同様、タブレットは必ずしも最高のノートPCにはならない。結局は、普段の使い方次第になる。冒頭でも触れたように、TechTargetの記事「iPad、Surfaceで賛否両論 タブレットをノートPCとして使うべき理由、使うべきでない理由」もぜひ参考にされたい。
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