「開発しやすい」だけではNG 管理者にこそ知ってほしいモバイル開発環境7基準:うまく使えばコンプライアンス問題も解決?(1/2 ページ)
モバイルアプリ開発基盤を導入する時、開発しやすさを一番に求めたくなる。だが、モバイルアプリを使ったビジネス展開をどうするかで考慮すべき点は大きく変わる。本稿では7つのポイントに絞り紹介しよう。
何種類ものデバイスで利用されるアプリを効率よく構築し、導入できるように、多くのベンダーがモバイルアプリ開発基盤(MADP)を提供するようになった。MADPの数が非常に多いため、各製品の違いや自社に最適な製品がいつも明確だとはかぎらない。
本稿では、MADPを評価する際に考慮すべき重要な7つの基準と、それぞれの基準で各製品がどのように差別化されるかを比較する。
基準1:アプリの種類
最初に、各社のMADPがサポートするデバイスの種類を特定する必要がある。本稿で取り上げるベンダー7社の製品は、全てGoogleの「Android」とAppleの「iOS」を搭載するデバイスをターゲットにするネイティブアプリかハイブリッドアプリ、またはその両方を作成できる。デバイスはスマートフォンでもタブレットでも構わない。
開発基盤の違いは、これ以外にサポートするデバイスの種類になる。例えば、MADPを提供する米企業Konyの「Kony AppPlatform」は、Microsoftの「Windows」と、スマートフォンを製造、販売しているカナダ企業BlackBerryの「BlackBerry OS」を搭載するデバイスに加え、ウェアラブルデバイス用のアプリケーション開発も可能だ。さらに同開発基盤は、各デバイス向けのネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリを作成できる。一方、MicrosoftとOracleの開発基盤は、上記以外にWindowsが加わるだけで、対応するのもネイティブアプリとハイブリッドアプリだけだ。
MADPを提供する米企業ProgressのMADPもMicrosoftやOracleと同様の対応範囲だが、MicrosoftやOracleが対応していないWebアプリ開発が可能だ。これに対し、アプリケーション開発基盤を提供する米企業Mendixが対応しているOSとデバイスの種類は基本的なものだが、ハイブリッドアプリとWebアプリの両方を作成できる。CRMシステムを販売する米企業Salesforce.comのMADPは、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリに加えて、Microsoftの「Windows Phone」OSとウェアラブルデバイス用のアプリケーション開発が可能だ。
MADPを比べる場合、ベンダーが対応するデバイスの種類を変える可能性があることを念頭に置く必要がある。例えば、ウェアラブルデバイスをサポートするベンダーが増える可能性は高い。
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基準2:導入オプション
ベンダー各社のアプリ導入オプションはそれぞれ異なるが、どのベンダーも基本的な方針としてクラウドインフラを用意している。ただし、Microsoft、Oracle、Salesforce.comなど、クラウドサービスを唯一の導入オプションにしているベンダーもある。
これに対し、Kony、Mendix、アプリケーション開発基盤を提供するポルトガル企業OutSystems、Progressの各社は、OutSystemsのプライベートクラウドに導入できるだけではなく、Microsoftの「Microsoft Azure」、クラウドサービスを提供する米企業Rackspaceの「Rackspace」、VMwareの「vCloud」といったパブリッククラウドもサポートする。オンプレミスに導入できるMADPツールを提供するのは、Kony、Mendix、Progressのみだ。
基準3:開発環境
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