何が最善か見極めるのは困難
モバイルアプリ開発と配信、多数の選択肢から選べない人に薦める5つのアプローチ
モバイルアプリ開発と配信の選択肢は豊富にある。本稿では5つのアプローチについて検討し、ユーザーのニーズにどう応えられるかを検証する。
誰もがアプリを必要としている。だがそれをユーザーの手に届けるのは必ずしもそれほど簡単ではない。
従業員へのアプリ提供に関してはあまりに選択肢が多いため、どの手段が最善かを見極めるのは難しい。比較的人気が高いモバイルアプリケーション開発と配信のアプローチには、モバイルアプリ開発プラットフォーム、デスクトップおよびアプリケーション仮想化、アプリのリファクタリング、エンタープライズモバイル管理およびワークスペースなどがある。
企業内でのモバイルアプリ開発とデプロイのためのさまざまな選択肢について以下に紹介する。
モバイルアプリ開発プラットフォーム(MADP)
開発者やIT管理者、さらにはエンドユーザーがワイヤフレームを開発し、アプリケーション設定の処理をもっと簡単にできるようにする低コストのツールセット。MADPでは管理者が行うアプリ設定の大部分を処理できるため、強力な開発スキルセットを持たない組織にとっての助けになる。難点として、IT部門はプラットフォームプロバイダーに頼って全OSとアプリの実行に必要なバージョンを継続的にサポートしてもらう必要がある。
デスクトップ仮想化
デスクトップ仮想化では、IT部門から従業員のデバイスへのWindowsアプリ配信を支援できる。特にレガシーアプリケーションを扱う場合、古いシステムや時代遅れのシステムに伴うセキュリティ問題を引き継ぐことなく、コントロールされた環境でアプリにアクセスするシンプルな手段をユーザーに提供できることから助けになる。仮想化ではセキュリティが強化され、重要な会社のデータをホストOSから切り離すことによって保護する。ただしユーザーが接続問題に見舞われて会社のデータにアクセスできない場合、問題が起こり得る。モバイルの世界では不当な批判にさらされがちだが、それでも場合によってはデスクトップ仮想化は有効な選択肢であり、ITプロフェッショナルはこれを除外すべきではない。
アプリケーション仮想化
アプリケーション仮想化も同様の目標を達成する。ただしフルデスクトップイメージではなく、個々のアプリケーションの配信によってそれを実現する。これによって管理者は一元化された環境からアプリをインストールしてアップグレードすることが可能になり、従業員のデバイスへの配信が容易になる。
アプリのリファクタリング
IT部門がモバイルアプリ開発に着手してユーザーに配信するもう1つの方法。この技術では、管理者やエンドユーザーがコードに触れずにデスクトップアプリケーションをモバイル端末用に変換できる。こうしたアプリでは基本的に、デスクトップアプリケーションの既存のコードを使って、モバイルに優しいタッチスクリーン対応のプレゼンテーション層をその上にかぶせる。テンプレートを使い、普通はデスクトップPCやノートPC上で行われる動作をまねることによって、アプリリファクタリングでは不格好なレガシー画面をすっきりしたモバイルインタフェースに転換できる。
アプリリファクタリングではキーボードおよびマウスアプリケーションのレンダリングとアップデートはうまくこなす一方で、機能改善やネイティブ機能の導入はできない。
エンタープライズモバイル管理(EMM)ツール
モバイルアプリのデプロイと、セキュリティ対策の手段をIT部門に提供する。管理者はEMMのモバイルアプリケーション管理機能を使って会社のアプリケーションのための社内アプリストアを構築できる。モバイルデバイス管理機能では、特定のサードパーティーアプリのホワイトリスト指定やブラックリスト指定、プッシュ配信ができる。高度な規制の対象となる業界では、センシティブなアプリとそのデータに誰がどのような環境でアクセスできるかに関するセキュリティポリシーとコンプライアンスを徹底できることから、EMMは特に役に立つ。
ワークスペース
ワークスペースは一般的に、ユーザーがどんなデバイスからも自分のアプリケーションとファイル全てにアクセスできる機能を向上させることに重点を置く。例えばMicrosoft Office文書をスマートフォン向けに変換しようとしたことがあれば、それがどれほど難しいかは誰でも知っている。確かにOfficeアプリそのものは相当改善されたが、ユーザーが会社のサーバ上のファイルにアクセスするにはどうしたらいいのか。ワークスペースではファイルサーバネットワーク内のファイルを見えやすくして、スマートフォンやタブレットからアクセスしやすくする。加えて、ユーザーが物理および仮想デスクトップとアプリケーションにアクセスするための中心的な場所としても役に立つかもしれない。
以上はモバイルアプリ開発とユーザーへの配信に着手するために利用できる選択肢のほんの数例にすぎない。多くの場合、IT部門がユーザーエクスペリエンスをどのようなものにしたいかに関する好みと理解の問題だ。管理者は従業員とじっくり話す時間を取り、その働き方を知った上で、多様なモバイルアプリ開発とデプロイの選択肢が従業員のニーズにどう対応できるかを検討する必要がある。
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