技術革新の反作用
モバイル活用に失敗しがちな会社で起きていること
モバイルを活用する企業は未来的であり、理想的でもある。だが、古い技術から新しい技術に移行するのは簡単な話ではない。ためらいを振り払ってでも、モバイルを採用しなければならない理由とは。
ニュートンが提唱した運動の第三法則では、あらゆる作用にはそれと同等かつ逆方向の反作用が存在すると定義している。同じことが進歩と革新にもいえる。
問題はIT業界で絶えず変化が起こっていることだ。「企業はビジネスにモバイルを採用する必要がある」と専門家は何年も前から説いてきた。だが、今でもモバイルを採用できていない企業が多数存在している。なぜ企業はモバイル化をためらっているのだろうか。
モバイル化への対応
ビジネスでモバイル活用を実現する場合には、継続的かつ効果的に変更管理を行う体制が必要になる。問題は、多くの企業がこのような変更管理を全く上手くできていないことだ。ITは人間の課題を解決するもので、テクノロジーの課題を解決するものではないことを忘れないで欲しい。多くのIT担当者はメインフレーム、大規模なERPシステム、ウオーターフォール開発でIT担当者としてのキャリアをスタートするが、モバイルはこうした概念を全て覆す存在になっている。モバイルは、分散していて、軽量で、アジャイルなものである。多くのIT担当者はモバイルに対して、自分たちの物事への取り組みを脅かす存在と見なしている。さらに言えば、職の安定を脅かしかねないとも考えている。
技術的な領域を再構築する
アーキテクチャの観点から見て、ビジネスにモバイルを導入するのは容易でない。企業の歴史が古く、規模が大きいほど、多くのレガシーアーキテクチャを抱えている。また、モバイルはクラウドなしでは上手く機能しない。プライベートであれ、パブリックであれ、ハイブリッドであれ、クラウドは必須要素だ。そのため、アーキテクチャの再構築には多くの労力を費やすことになる。
具体例を1つ挙げると、IT部門はオンプレミスのERPシステムをサポートする場合とは大きく異なる方法で、モバイルファーストのアーキテクチャを構築しなければならない。信頼性は、アジリティとスケーラビリティに取って代わられている。大量の完璧なコーディングが不要になった代わりに、迅速な変更とアプリ化を重視することが必要になっている。
IT部門はセキュリティについても配慮しなければならない。規制の厳しい業界が長いことモバイルから距離を置いているのはセキュリティに原因がある。幸い、そのような業界でもモバイル化が始まっている。現状でもまだ複雑だと感じるなら、モノのインターネット(IoT)の足音が忍び寄ってくるのを待つしかない。
重要なのはユーザー中心の考え方
企業のモバイル戦略で重要なのはユーザーであってシステムではない。IT部門が従来のデスクトップアプリケーションをモバイルに移植すると、ほぼ大失敗に終わる。企業を効果的にモバイル化するには、舞台裏のコーディングルームから外に出て、ユーザーが期待していていること、アプリケーションやデバイスを実際どのように使用するつもりかを調査する必要がある。モバイルで重要なのはユーザーの操作性だ。企業がユーザーを第一に考えていないのなら、モバイル化は上手くいかないだろう。
モバイルは難しく、変化が速く、これまでとは異なるものだ。だが、大手企業各社ではモバイルを積極的に活用している。全ての企業がそれに追随すべき時期が来ている。
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