「Touch Bar」はタッチスクリーン代わりになるのか
新MacBook Pro vs. Windows 2-in-1、ビジネスならどちらを選ぶ?
キーボード上部にタッチ対応の横長ディスプレイ「Touch Bar」を搭載する新型「MacBook Pro」。ビジネスで有効的に使えるのか、考えてみた。
AppleがMacで2-in-1デバイスを提供しないことの影響だろうか。Microsoftのタブレット「Surface」が好調を維持する一方で、企業や消費者によるAppleの「Mac」導入が鈍化している。
企業市場では依然として、Microsoftの「Windows」を搭載したクライアントPCの導入がMacを上回っている。だがグラフィックデザインやオーディオ編集、動画編集など、クリエイティブな仕事に携わるビジネスユーザーの間で一般的なのはMacだ。しかしながら、新型クライアントPC「MacBook Pro」は2016年10月のリリース以来、バッテリー持続時間や各種ポートの廃止、価格など、さまざまなマイナス面が取り沙汰されている。さらに新型MacBook Proは、キーボード上部にタッチ対応の横長ディスプレイを搭載するだけで、タッチスクリーンは非搭載だ。
併せて読みたいお薦め記事
Macに関する記事
MicrosoftとAppleどっちがいいの?
「ユーザーは、2-in-1機能を望んでいる。クライアント市場においてMacは異質の存在だ。実際、クライアントPCベンダーにとってAppleの影響力は、これまでよりもはるかに低下している」と調査会社Technology Business Researchのアナリスト、ジャック・ナーコッタ氏は指摘する。
主要なWindows PCベンダーはいずれも2-in-1の方向に舵を切りつつある。調査会社IDCによれば、2-in-1デバイス全体の市場は2015年第1、第3四半期から2016年第1、第3四半期までに75.7%成長している。
一方、ノートPC市場は同時期に5.6%縮小し、MacBookシリーズ全体の市場シェアは12.3%縮小した。Surfaceデバイスの市場シェアについてはデータがないが、IDCによれば、Surfaceの採用は急速に拡大中だという。
新型MacBook Proの目玉機能である「Touch Bar」は、キーボード上部に配置された横長のタッチ式ディスプレイだ。実行中のアプリケーションに応じて、さまざまなコマンドを素早く実行でき、カスタマイズも可能だ。Webブラウザの実行中は複数のタブを表示したり、Adobe Systemsの画像編集ソフト「Adobe Photoshop」を実行している間は写真編集機能を表示したりするなど、表示内容はアプリケーションの使用状況によって変化する。ワープロなどのアプリケーションで文字を入力中であれば、入力候補を表示する。
とはいえ、IDCの調査ディレクター、リン・ホワン氏によれば、タッチスクリーンの非搭載がTouch Barで相殺できるわけではない。Appleがこの先、Touch Barの機能をどれだけ強化できるかも定かではない。
「Touch Barの興味深い活用法が、他にどれだけあるだろうか」と同氏は疑問を投げかける。
Appleの関心はサービス事業にシフト
Appleの2016年第4四半期(7~9月期)の決算報告によると、最も急成長中の分野は、「Apple Music」や「App Store」「Apple Pay」「iCloud」などを含むサービス事業だ。ナーコッタ氏によれば、Appleは今後もこうしたサービスの強化に取り組む見通しだという。いずれも、Appleの稼ぎ頭である「iPhone」のOSである「iOS」機能を拡充するためのサービスだ。
「Macは今でもAppleが提供する価値の一部だ。だが看板商品ではない。Appleはクライアントデバイスへの関心を失っているのだろう。技術革新は思いがけないところで実現するものだ」とナーコッタ氏は指摘する。
これまでMacBook Proは約10カ月ごとにアップデートしてきたが、今回の新型MacBook Proは約15カ月ぶりのアップデートとなる。米消費者情報誌Consumer Reportsは当初、バッテリー持続時間が19時間から4時間未満までと大きなばらつきがあるとして、新型MacBook Proを「非推奨」と評価した(その後の再テストの結果、現在は「推奨」に更新されている)。一時的とはいえConsumer Reportsから推奨の評価を受けられなかったMacBookシリーズは、今回の新型MacBook Proが初めてだ。
液晶一体型のハイエンドデスクトップ「iMac」については、Appleは2015年10月以降、アップデートを実施していない。iMacは通常、MacBook Proと同じサイクルでアップデートされてきたにもかかわらずだ。「MacBook Air」は2年近くアップデートがない。MacBook Airよりも薄い「MacBook」を2016年4月に発表したことからすると、AppleはもうMacBook Airの新型モデルを提供するつもりはないのかもしれない。
AppleリセラーであるTSPの創業者で最高技術責任者(CTO)のマイケル・オー氏は、既に15インチの新型MacBook Proを使っており、全体的にはとても満足しているという。ただし同氏は、最大の問題の1つとしてポートを挙げる。Appleは新型MacBook ProでHDMIポート、SDカードスロット、Thunderbolt 2ポートなど、計5つのポートを廃止し、代わりにUSB-Cポート4基を搭載した。この変更の結果、他のデバイスやモニターとの接続をめぐる問題が発生し、ユーザーは追加で変換コネクターやアダプターを購入しなければならなくなっている。
「購入前に接続端子について調べなければならない」とオー氏は語る。
Touch Bar搭載13インチMacBook Proの価格は1799ドル(17万8800円、税別)からと、同等スペックのWindowsノートPCや2-in-1デバイスよりも高い。同等スペックであるMicrosoftの2-in-1デバイス「Surface Book」は1699ドル(18万5800円、税別)から、タブレット端末「Surface Pro 4」は1299ドル(11万2800円、税別)からだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
9
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
10
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー