GDPR対象企業の命運を握る「データ保護責任者」というポジション、その任務は?:コンプライアンス要件を検証
EUのGDPRは、企業がデータ保護責任者を任命することを求めている。だが、セキュリティのためにデータ保護責任者は本当に必要だろうか。この分野の専門家がコンプライアンス要件を検証する。
欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR)では、その管轄内でビジネスを営む企業に対し、幾つかの措置を義務付けている。その1つがデータ保護責任者の任命だ。
GDPRの第37条では、EU市民の個人データを扱う管理業者と処理業者は、2つの条件のいずれかに該当する場合、データ保護責任者を指名しなければならないとなっている。条件の1つは、管理業者または処理業者の中核業務が、その性質、対象範囲、目的から、「大規模なデータ主体を定期的かつ体系的に監視する必要がある」場合。もう1つは、主体が特殊なカテゴリーのデータ、または有罪判決や犯罪に関するデータを大規模に扱う場合である。EU加盟国がこの条件を独自に補完する可能性はあるが、ここではGDPRの要件のみに注目する。
データ保護責任者(DPO)に関する第29条作業部会のガイドラインは、この第37条を明確に説明している。それによれば、多くの企業はDPOの任命を求められる可能性が高いようだ。では、要件を分析してみよう。
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大規模
大規模に行われる業務は、特にGDPR第37条の対象になる。このガイドラインによると、業務が大規模に行われているかどうかは、関係するデータ主体の数などによって決まる。関係する人口の数や割合、データの量や範囲、処理の実施期間、永続性、地理的範囲などがその例だ。
ショッピングカートの管理などの業務を目的としてデータ収集を大量に行うオンラインビジネス、データ分析、アプリケーションは対象になる可能性が高い。ガイドラインに示されている例によれば、個人1人で運営する企業の場合、その唯一の主体が対象になる可能性が高い。
定期的かつ体系的な監視
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