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東芝が「NVMe」市場にソフトウェアで挑む“本当の理由”「NVMe over Fabrics」に熱視線

東芝グループが「NVMe over Fabrics」の実現に向けたストレージソフトウェアを販売する。その狙いは何か。

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東芝グループがストレージソフトウェアに注力する訳とは

 東芝メモリの米国子会社Toshiba Memory America(以下、東芝と略)は2018年第1四半期(1〜3月)に、ストレージインタフェース規格「NVMe」関連のストレージソフトウェアを販売する。このストレージソフトウェアは、ネットワーク経由でNVMeフラッシュストレージを利用可能にする「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)を実現する。既にUniversity of New Hampshire(ニューハンプシャー大学)の研究機関「InterOperability Laboratory」から、NVMe-oFの相互運用性の認定を受けたという。

 東芝のNVMe-oF担当システムアーキテクト、ジョエル・デドリック氏によると、このストレージソフトウェアはNVMeフラッシュストレージを仮想化してプール化する。ユーザー企業がこのストレージソフトウェアを導入すると、データセンター向けの一般的なオーケストレーション(協調制御)システムで、NVMeフラッシュストレージのリソースをデプロイ(配備)するといった管理が可能になる。

 「われわれの目標は、世界をNVMeにとってより良い場にすることにある」とデドリック氏は話す。

東芝のストレージソフトウェアが促す転換

 E8 Storage、Mangstor、Vexataといったストレージベンダーは、ソフトウェアを自社のNVMeフラッシュストレージ製品にバンドルしている。スタンドアロンのNVMeソフトウェアは、ほとんど存在しない。

 ソフトウェア面で東芝グループと競合する新興ベンダー、Exceleroのストレージソフトウェア「NVMesh」は、やはりNVMeフラッシュストレージの仮想化やプール化の機能を持ち、アクセスの高速化と低レイテンシ(遅延)化を目指している。Exceleroは、同社が特許を取得した「RDDA」(Remote Direct Drive Access)という技術によって性能の差異化を図っていると説明する。一方デドリック氏によれば、東芝のストレージソフトウェアは、東芝が持つ物理的なフラッシュメモリ管理のノウハウを差異化に役立てている。

 ここにきて東芝がストレージソフトウェア事業に注力するのはなぜか。それは同社が、データセンターのストレージデバイスのデータ転送について、従来の「SAS」(Serial Attached SCSI)から低レイテンシのNVMeへの転換を促す上で、NVMe-oFを「極めて重要」だと見なしたことによると、デドリック氏は説明する。

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