いまさら聞けないSSD向け次世代接続規格「NVMe」 仕組みと歴史を解説する:SASやSATAに代わるストレージインタフェース
次世代SSDの接続規格「NVMe」の仕組みや歴史をひもとく。2017年のフラッシュストレージ導入を後押しすると期待が集まる最新技術「NVMe over Fabrics」についても解説する。
NVMe(Non-Volatile Memory Express)とは、ホストコントローラーインタフェースとストレージプロトコルの規格だ。コンピュータのPCI Express(以下、PCIe)バスを介した、エンタープライズシステムとクライアントシステム間のSSDデータ転送を高速化する目的で開発された。
NVMeの規格では、レジスターインタフェースとコマンドセットおよびPCIeベースSSDのための機能を定め、高い性能と、幅広いNVMサブシステムを横断する相互運用性を目指している。NVMeの規格では、Solid State Storage(SSS)やメインメモリ、キャッシュメモリ、バックアップメモリなどの利用モデルについては規定していない。
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NVMeは、ホストシステムと周辺のターゲットストレージデバイスとの接続およびデータ転送規格であるSCSI(Small Computer System Interface)やATA(Advanced Technology Attachment)の代わりになる。SATA(Serial ATA)ベースSSDに使われるATAコマンドセットと、SAS(Serial Attached SCSI)ベースSSDのためのSCSIコマンドセットは、HDDとテープがストレージメディアの主流だった時代に開発された。NVMeはそれより高速のメディアで使用することを想定して設計されている。
SASおよびSATAベースSSDと比較すると、NVMeベースPCIe SSDの主なメリットには、ホストソフトウェアスタックにおけるレイテンシの低減やIOPS(1秒間に処理できるI/O数)の向上がある。フォームファクターや使用するPCIeレーンの数によっては消費電力も削減できる可能性がある。
NANDフラッシュや、IntelとMicron Technologyが開発した「3D XPoint」技術を含め、NVMeは不揮発性メモリを使ったさまざまなSSDに対応できる。対応するフォームファクターには、PCIeのアドインカード、M.2 SSD、U.2接続の2.5インチSSDが含まれる。NVMeドライバは、「Windows」や「Linux」など各種OS向けに提供されている。
NVMeの仕組み
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