AIをビジネスに活用するための5つの難題:技術面の解決をする前にすべきこと
人工知能(AI)のビジネスを成功に導く鍵は、最高の採用担当者、信頼を生む組織構造、そして企業倫理への配慮だ。
情報最高責任者(CIO)は人工知能(AI)を活用したいと考えている。そのためには、複雑な技術的課題を乗り越えなければならないことが多い。だが、それは出発点にすぎない。CIOが考えなければならないのは、どうすればAIがビジネスの成果をもたらすようになるかだ。これは、2018年1月に開催された深層学習やAIに関するイベント「ReWork Deep Learning Summit」に参加した専門家の意見だ。
「AIは単なるデータサイエンスの問題ではない。ビジネスの問題だ」と語るのは、家系図調査サービス会社であるAncestry.comの前最高データ責任者(CDO)エイミー・ガーシュコフ(Amy Gershkoff)氏だ。
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AI活用にはデータサイエンスのスキルが不可欠
イベントに参加したAI専門家によると、CIOはAIを活用するための専門チーム(AIチーム)を編成する際に、2つの要件に注意する必要があるという。1つは、企業全体でAIへの信頼を育み、規制要件に反しない組織構造を構築することだ。もう1つは、あまり知られていないことだが、AIの知識が豊富な採用担当者を用意することだ。
適材適所
ガーシュコフ氏によると、適切なAI組織構造を開発するための重要な第一歩は、AIチームの目標に合った部門にデータサイエンティストを配置することだという。
例えば、AIチームの目標が収益増加にあるとする。この場合、データサイエンティストを最高財務責任者(CFO)のオフィスに配属すると、財務部門が掲げるコスト削減という目標とぶつかる可能性がある。この場合は、収益増加の優先度が高い生産管理部門やマーケティング部門に配属するのが賢明だ。同氏は「データサイエンティストが最も力を発揮できる職場に配属することが必要だ」と語る。
データサイエンティストを複数部門に配属するハイブリッド型のモデルに移行し始めている企業もある。このモデルでは、データサイエンティストが、マーケティング、製品製造、財務など、さまざまな部門に配属される。さまざまな部門で働くAIチームのメンバーは、CDOと所属部門の上司の両方に報告する。そうすれば、データサイエンティストの目標と各部門の目標を一致させることができる。ただ「デメリットは、上司が2人いるように感じるかもしれないことだ」とガーシュコフ氏は話す。
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