急速に進むイノベーション
2018年技術トレンド大予測 “秒速”で進化するAI、VR、IoT、ロボットの動向を知る
変化が速い時代において、2018年の予測が信頼できるものであるためには保守的である必要はない。
今日のテクノロジーの世界では、イノベーションが急速に進んでいる。そのおかげで2018年の予測は、かつてなく面白く、エキサイティングなゲームとなっている。昔は、世界を変える技術進化のビジョンは、数十年後や、さらに遠い未来という設定で表現しなければならなかった。1960年代の米国のSFテレビアニメ『宇宙家族』は1世紀後が舞台だった。今なら、ほんの数年前からやって来たタイムトラベラーも、無国籍のデジタル通貨の普及や、広く出回っている自動停止車、持ち主の顔を認識するスマートフォンなど、驚くことばかりだろう。
このように変化が速い時代において、2018年の予測が信頼できるものであるためには保守的である必要はない。われわれが予測している動きの一部は、2017年からの漸進的な発展であり、それほど驚きはない。だが、その一方で、非常に夢のある展開も期待できそうだ。それらは、アニメで描かれた驚異の世界が、われわれが考えた以上に早く実現する可能性があることを示唆している。
機械学習とAIが働き方を再定義
機械学習や人工知能(AI)のツールやプラットフォームはより使いやすくなり、より広く普及する。これらの技術は、クラウドのスケーラビリティを利用して初期の訓練が行われ、未来の働き方に大きな影響を与えるだろう。何が正常で何が正常でないかを学習できれば、機械は、自動化や予防的問題解決においてますます大きな役割を果たすようになり、有害なものを認識、遮断し、セキュリティ侵害を防ぐこともできるようになるだろう。
ブロックチェーンが暗号通貨以上に台頭
ブロックチェーンや暗号通貨は、既に古いニュースのようにも思える。だが、これらの関連する技術の影響は見え始めたばかりだ。2018年には、ユースケースの新しい重要な展開が見られるだろう。自前のインフラをほとんど、または全く持たない分権的な分散型企業がのし上がれるようになる。現在支配的なクラウドベースの大企業に打撃を与える可能性もある。
エッジコンピューティングが進化
2018年にはエッジコンピューティングの需要が拡大するだろう。より多くのデバイスがインターネットに接続されるとともに、レイテンシがますます問題になる。クラウドは、大規模なアップロードではなく、ダウンロードを想定して設計されたからだ。センサーは、機械学習のためにあらゆるデータをクラウドにストリーミングするのではなく、エッジコンピューティングを利用して、正常な状況を学習し、異常な状況に対応するようになる。そうなれば、未来の働き方やセキュリティに大きな影響を与えるだろう。
自動運転車が一段とスマート化
自動運転車は人の輸送、農業、物流、配送などの市場を揺るがし続けるだろう。こうした車両は、車輪付きのモバイルエッジデータセンターとして機能し、テラバイト規模やペタバイト規模のセンサーデータを処理し、周囲の状況にリアルタイムで対応する。米国アリゾナ州テンピーにある私の家の近辺では、自動運転車による配送や通勤は既に普通の光景となっている。Uber、Waymo、GMの自動運転車がアリゾナ州立大学のキャンパスを周回しているからだ。
AR、VR、MRが現実を再定義
拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、混合現実(MR)は、新しい製品や機能が市場に登場し、ますますもてはやされそうだ。Magic Leapは新たに数十億ドルの資金調達を行っており、同社のライバル企業の多くも同様だ。ARは、既に建設業務や出張修理業務を支援するアプリケーションで、未来の働き方を先取りして使われている。Citrix Systemsは自社イベントのSynergy 2017において、一般的なメガネ型のデバイスと組み合わせて使うVRワークステーションを披露している。こうした技術は、より小型で高性能になり、広く普及するとともに、自動運転車や機械学習、エッジコンピューティング技術との融合が進むだろう。Appleの「iPhone X」が顔認識の広範な普及をけん引しているように、2018年にはARの多くのユースケースが理論段階から本格的な実用段階に移行し、VRもその後間もなくブレークスルーとなるだろう。
IoTが健康増進に貢献
IoT(モノのインターネット)はこれまで、センサーで捉えたリアルタイムデータの活用による自動化、業務管理の向上、コスト削減を通じて、石油やガスのような重工業を変革してきた。ハリケーン「イルマ」がフロリダに近づいたときは、TeslaがIoT技術を使って、危険地域にある同社の車のバッテリー性能を向上させて走行範囲を拡大し、人々がこの大型ハリケーンの進路から退避できる可能性を広げた。IoTは今、ヘルスケアに大規模に導入されようとしている。患者の生命兆候データをEMR(電子医療記録)システムに直接ストリーミングするといった小さなイノベーションは、エラーの削減や時間の節約につながる。そして、医師が1日に診療できる患者数の増加(と収益向上)、治療の精度や効率の向上による治療結果の改善が可能になる。
そして出番の拡大とともにIoTは目立たないニュースに
そう遠くない将来に、「モノのインターネット」というフレーズはあまり聞かなくなるだろう。向こう1年程度で、デバイスが自動的にインターネットにつながるのは当たり前になる。あらゆる企業が時代についていくために、IoTプラットフォームを所有するか、レンタルしなければならなくなる。企業は競争を背景に、ジャストインタイムの補給や自動スケーリングサービスによって完全に自動化されたIoTビジネスプロセスを実現しようとしのぎを削ることになる。また、多くのIoTスタートアップが、人々とそのプロファイルを自動的に検知し、あらゆる場所でコンテクストに応じた自動化に貢献する技術に取り組むだろう。こうした新しいソリューションは、自動運転車や機械学習、エッジコンピューティングを支える技術を包含するか、あるいはこれらと融合することになるだろう。
新世代のロボットが未来を引き寄せる
IoTがあまり話題にならなくなったら、その台頭を後押ししてきたブレーン集団や企業にとって、次の論理的な進化の主体は、ロボットだろう。2019年が近づくにつれて、さまざまな特定用途向けロボットが市場に出てくるはずだ。芝刈り機からグリルクリーナー、洗車まで、あらゆる分野で“ルンバ”のような画期的なロボットの登場が期待できそうだ。
新しい消費者向けロボットは、『宇宙家族』に出てくる「Rosey the Robot」のようにウイットに富むものやスタイリッシュなものではないかもしれない。それでも、そうした新しいロボットが日常生活にもたらすスマートな自動化や、われわれの環境を変える自動化技術、交通についてのわれわれの考え方を変える自動運転車などをはじめ、今日の世界でも既に多くのイノベーションが進んでいる。
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