5年後に 世界は変わる
自動運転の時代へ 自動車向けアプリ開発をいますぐに進めるべき理由
車を運転中に使えるアプリの開発者に朗報だ。自動運転車の時代に、アプリの需要は高まるだろう。専門家がGoogleの「Android Auto」やAppleの「CarPlay」など、開発向けソフトウェアを紹介する。
最近の米国人は、平均で毎日101分間を車の中で過ごすという。人々は、運転以外に何をして過ごすのだろう。CDをざっと聞き流し、FM放送の番組を次々と切り替える? もちろん、そんな時代ではない。スマートフォンをカーナビにつなぎ、これから1時間半のドライブを楽しい時間に変えるアプリを選ぶのではないだろうか。
開発向けソフトウェアとOSの現状
カーナビは、タッチディスプレイとアプリを備えたフル装備のエンターテインメントシステムへと変ぼうを遂げている。問題は、カーナビ向けモバイルアプリ開発者向けのソフトウェアやアプリケーションが複数、市場に混在していることだ。アプリ作成に関係するソフトウェアの代表例は、次の通り。
- Googleの「Android Auto」:Android Autoは、Googleの「Android for the Car」の改訂版だ。同社のOS「Android」を搭載したスマートフォンは多数のユーザーを抱え、接続も簡単なため、非常に人気が高い。
- Appleの「CarPlay」:Appleの「iOS」デバイスの接続に必要で、iOSユーザーには非常になじみ深い。
- Fordの「SYNC」:自動車メーカー大手のFord Motorは、同社のスマートデバイスシステムSYNCの基盤であり、利用者のデバイスから車内エンタテイメントをコントロールできる「SmartDeviceLink」(旧AppLink)をオープンソースソフトウェアとして公開した。同社は、トヨタ自動車と提携し、GoogleやAppleに対抗している。
- BlackBerryの「QNX」:現状、多くのメーカーが採用している。
アプリ作成の際に持ち上がる2つ目の問題は、各メーカーが採用するOSが変わることだ。自動車販売台数上位を占める企業の例が分かりやすいだろう。
- GM:GM車は、かつてカーナビおよび運転者向けサービスを展開する子会社OnStarの同名サービスを搭載し、アプリ作成のOSにQNSを採用していた。現在、新しいGM車はAndroid Autoを採用するようになっている。
- Ford:2016年以降、Ford車は「SYNC 3.0」を搭載している。以前のFord社は、「SYNC 2.0」を搭載し、Microsoftのソリューションを採用していた。
「いま」自動車向けアプリを開発すべき理由
最後の課題は、アプリを開発したとしても、現時点ではそれほどユーザーが多くない点だ。現状では、あらゆる自動車が、ソリューションの構築にアプリ主導のエコシステムを利用しているわけではない。実のところ、2013年以前の自動車であれば、タッチスクリーン対応のインフォテイメント(情報・娯楽の両要素を提供する)システムを搭載していない可能性の方が高い。
では、今わざわざ自動車用アプリを作成する意味は、どこにあるのだろうか。そのチャンスは、現在ではなく未来にある。冒頭に挙げたように、米国のドライバーは、毎日101分間を車の中で過ごす。現在、市場に出つつある自動運転車は、5年後には主流になるだろう。自動車業界は100年の歴史を誇るが、人の運転席での過ごし方は、自動運転が普及すれば、ほぼ一夜にして変わる。自動運転車なら、完璧な安全が確保された車中で映画を視聴し、服を買い、友人にテキストメッセージを送ることができる。車内の101分間は、エンターテインメントシステムに夢中になり、同乗者と話し込む時間になる。将来の車内での過ごし方とはどのようなものか。それを知りたければ、タクシーに乗車し、車内でテレビを見ざるを得ない状況にするだけで良い。
Web、iOS、Android用アプリの開発方法を把握しているなら、前述のカーナビ向けアプリの開発作業は、既に半分終わったようなものだ。運転中の楽しみに特化したアプリを世に出し、ユーザーを楽しませる新たな道を開いてはどうだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
5
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
6
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
7
ANAが専用回線から移行した「NaaS」の全貌 ネットワーク準備が数カ月から数週間に
-
8
業務引き継ぎで困ったこと 大企業200人調査で判明した課題の第1位は
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー