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クラウドサービスが止まる日に備えて企業が今できること:プロバイダーと顧客の責任範囲は
クラウドの停止による損失を想定していない企業や、データとワークロードを復元する責任が利用者側とプロバイダー側のどちらにあるかを理解していない企業は、予想外の損失に直面するリスクがある。
クラウドサービスの停止はささいな問題ではない。クラウドは、最新のITツールキットと同じくらい、企業に欠かせなくなっている。数時間や数日の停止はもちろん、数分停止するだけで、収益に深刻な影響が及ぶ可能性がある。
クラウドサービスが停止すると、顧客満足度や収益に影響する。クラウドへの依存の度合いによっては、ワークロード、テスト、ソフトウェア開発、データアクセスなどの分野に影響が及ぶ。その結果、基準や規制に従うことができなくなり、罰金や罰則を科される恐れがある。2018年5月25日にEUの「一般データ保護規則」(GDPR)が施行されたため、コンプライアンス対策は喫緊の課題になっている。
全てのクラウドサービスプロバイダーは、サービス停止に関して、ストレージなどのインフラを可能なかぎり迅速に再稼働する責任がある。ただし、その責任範囲は、顧客の希望とは必ずしも一致しない。このことは特に、クラウドベースのデータ、アプリケーション、その他のワークロードに当てはまる。
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