導入経験者が語る「新しいサーバレス監視ツール」の魅力と弱点とは:X-RayとCloudWatchだけでは不足する場合も(1/2 ページ)
サーバレス監視ツールはほんの数年で目覚ましい進歩を遂げてきた。だが、サーバレスインフラを包括的に可視化する機能は依然強く待ち望まれている。
New Relic、AppDynamics、Dynatraceなどのベンダーが提供するアプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツールは、Amazon Web Service(AWS)の「Amazon CloudWatch」(以下、CloudWatch)を使って「AWS Lambda」(以下、Lambda)環境でサーバレス監視ログとメトリクスを集める。企業のサーバレスユーザーは、CloudWatchのログを、「Splunk」や「Sumo Logic」などのログ監視ツールにエクスポートすることもある。
このようなツールはメモリ使用量など、システムレベルのデータを重視する傾向があるが、システムレベル以外にも、要求率やネットワークの細かい遅延など、重要度の高いメトリクスもある。
「私の経験では、手始めに使ってみるにはCloudWatchのメトリクスが優れている」と話すのは、英国のスポーツストリーミング配信サービス企業DAZNのプリンシパルエンジニアを務めるヤン・ツイ氏だ。サーバレスシステムに関する独立コンサルタント兼トレーニングスペシャリストでもある同氏は、テレビゲーム開発企業Space Ape Gamesやソーシャルネットワーク企業のYublなど、さまざまな企業でサーバレスシステムを運用環境に導入した経験がある。「多数の関数を利用する複雑な運用環境で実行すると、Amazonが提供するサポートでは対応できない部分がある」と同氏は続ける。
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サーバレス監視ツールは、個別の関数やインフラのリソースを監視するだけではなく「アプリケーションを形成する方法を明らかにする」データを探すことに注力する。こうしたツールは、通常、関数にコードを注入し、監視データをダッシュボードやメトリクス収集用APIに送信する。
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