4つの主要な攻撃経路とは?
急増する「クリプトジャッキング」、仮想通貨とブロックチェーンを狙うサイバー攻撃者
2018年第1四半期にはクリプトマイニング(仮想通貨の採掘)マルウェアが急増した。McAfeeが報告する脅威レポートのトピックスから、仮想通貨に関連した脅威の主要な4つの手法について解説する。
McAfeeが新たに公開したにブロックチェーンの脅威に関するレポートによると、2018年第1四半期のクリプトマイニング(仮想通貨の採掘)マルウェア増加率は600%を超えるという。
McAfeeが公開した「Blockchain Threat Report」(ブロックチェーン:脅威レポート)によると、仮想通貨の価値がここ1年で急騰したことで、仮想通貨の所有者、取引所、ブロックチェーンを利用する企業へのサイバー攻撃が大幅に増加しているという。ブロックチェーンへの脅威は増えてはいるが、ここ5~10年の多くの攻撃には同じ技法や手口が使われている。「そのため、業界向けのベースラインを作り出すことがこのレポートの目的だ」と話すのは、McAfeeで脅威についての高度な研究の責任者を務めるスティーブ・ポボルニー氏だ。
「最近、仮想通貨の価値が急騰している。何百もの仮想通貨がごく短期間に生み出されている。それに伴い、こうした通貨の価値に付け込もうとする脅威因子が出現するようになった」(ポボルニー氏)
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仮想通貨を狙う、4つの主要な攻撃経路とは
攻撃側は、利用者と企業の両方を標的とするさまざまな手口の導入を学んでいる。だが、McAfeeの研究者によると、主な攻撃ベクトル(攻撃手段や経路のこと)は、
- フィッシング詐欺
- マルウェア
- 技術の弱点
- 実装上の脆弱(ぜいじゃく)性
というよく知られた4つの脅威に絞られるという。研究者によると、流行の速度と成功率から見て、フィッシングがブロックチェーンへの攻撃に最もよく使われる手口だという。一方、マルウェアもここ1年で急増している。レポートによると、確認されたクリプトマイニングマルウェアの総数は、2018年第1四半期は前年同期比で629%増になるという。マルウェア開発者は、ここ6カ月でランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からクリプトジャッキング(Webブラウザを不正に乗っ取って仮想通貨の採掘を実行する攻撃)に切り替え始めている。ランサムウェア攻撃が2017年第4四半期から2018年第1四半期にかけて32%減少したのに対し、クリプトマイニングは1189%も増加している。技術の弱点への攻撃とは、仮想通貨の秘密鍵に対して用いられる辞書攻撃などの脅威を指す、と研究者は説明する。最後に、実装上の脆弱性とは、ブロックチェーンテクノロジーの不適切な実装を指す。
レポートでは、ブロックチェーンとしては新興の仮想通貨「IOTA」(アイオータ)に仕掛けられた2017年の攻撃などを例として取り上げている。この攻撃では、攻撃者が暗号学的な脆弱性を悪用してハッシュの衝突を生み出し、署名を偽造した。ハッカーはこれを利用してユーザーのデジタルウォレットからコインを盗み出せる。こうした脆弱性はブロックチェーン自体の欠陥ではない。そのため、「ブロックチェーン自体は今のところ安全だ」とポボルニー氏は強調する。
同レポートでは次のように報告している。「ほとんどの場合、ブロックチェーン技術の利用者が最も標的になりやすい。新たに何かを始めるときはセキュリティよりも成長を優先するという考えが広まっている。多くの場合、仮想通貨企業もこのカテゴリーに入る」
ポボルニー氏によると、仮想通貨とブロックチェーンのセキュリティの問題は2つの側面を生み出しているという。1つは、企業が急いで仮想通貨に初期投資したが、基本的なセキュリティチェックやリスク評価を終えていないという側面だ。「適切なアクセス管理の欠如など、欠陥がある企業は脅威因子の標的になりやすい」と同氏は話す。もう1つは、金融上の動機の側面だ。2017年後半、多くの仮想通貨の価値が空前の高値を記録し、ビットコインには1コイン当たりおよそ2万ドルの値がついた。そのため、ハッカーの注目を集めることになった。この2つの側面を持つ仮想通貨の問題が悪循環を生み出し、セキュリティのリスクや、プログラムへのセキュリティの導入について完全に理解することなくウォレットや台帳が形成される結果になった。これがMcAfeeの研究者の見解だ。
レポートでは、分散するという性質が原因になり、仮想通貨が盗難から立ち直るのは、他のほとんどの通貨よりも難しく複雑になるとも伝えている。ネットワークのセキュリティを確保するには、しっかりとしたリスク評価をする必要がある。
「業界が独自のブロックチェーンテクノロジーを導入し始めるのに伴い、さらなる侵害を試みるサイバー犯罪者が開発を続ける新しいテクノロジーに備えなければならない」とMcAfeeの研究者は記載している。ただし、このようなリスクがどこに潜んでいるか明確には把握されていない。そのため、正当とはいえないブロックチェーンアプリケーションが信頼されることになる。仮想通貨ウォレットのセキュリティを確保するため、ネットワークに接続していないPCのローカルにウォレットを保管することをポボルニー氏は推奨する。そうすればそのウォレットの通貨に人々が押し寄せることはできないだろう。
「盗難が増えているとしても、仮想通貨スタートアップ企業の増加や、ブロックチェーン導入の急増傾向は今後も続くだろう」とポボルニー氏は予測している。
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