単なるマルウェア対策ではない
Windows Defenderの3大要素 「Exploit Guard」「Application Guard」「ATP」の違い
「Windows Defender」は、IT担当者がセキュリティ強化に利用できるさまざまな機能を提供する。主要な3つの製品/機能群を紹介しよう。
Microsoftの「Windows Defender」は、当初はWindowsに組み込まれた軽量のマルウェア対策ツールだった。IT担当者の中には「ありきたり」と酷評する向きもあった。こうした懐疑派は、高度化が進むマルウェアに対して、Windows Defenderの検出機能は不十分だと考えていた。
「Windows Vista」用として登場した最初のバージョンから、「Windows 10」に搭載の現行バージョンに至るまでの長年の間に、MicrosoftはWindows Defenderに重要な変更を施してきた。結果としてWindows Defenderは、データを勝手に盗み出す「スパイウェア」や広告を自動表示する「アドウェア」、ウイルスなどの脅威を防ぐことが可能な、多機能なマルウェア対策製品となった。
Windows Defenderは現在、単なるマルウェア対策機能の名称としてだけでなく、Microsoftが提供するセキュリティ製品/機能群の名称として使われている。以下ではこうした製品/機能群のうち、特に重要な以下の3つを紹介する。
- Windows Defender Exploit Guard
- Windows Defender Application Guard
- Windows Defender Advanced Threat Protection
併せて読みたいお薦め記事
「Windows Defender」についてもっと詳しく
- 「Windows Defender」は今やウイルス対策だけじゃない 新たな3大機能をチェック
- 無料ウイルス対策ツール「Windows Defender AV」の管理ツール5選
- Windows 10のエクスプロイト対策、3つの重要機能とは
Windowsのセキュリティ対策
Windows Defender Exploit Guard
「Windows Defender Exploit Guard」(以下、Exploit Guard)は、Windows 10の侵入防止機能であり、マシンをさまざまなタイプの攻撃から保護する。例えばマルウェアによる内蔵メモリの操作を食い止めたり、フォルダアクセスを制御して強制的な変更を防いだりする。
後述する重要製品である「Windows Defender Advanced Threat Protection」(以下、Windows Defender ATP)を併用することで、IT担当者はExploit Guardのイベントに関する詳細なレポートを取得できる。このイベントは、Exploit Guardが記録する全ての潜在的なセキュリティ脅威を指す。
IT担当者はWindows Defender ATPの管理コンソールを使って、Exploit Guardを管理できる。この管理コンソールは、不審なアクティビティーや各種アラートなどを表示する。Windows Defender ATPの管理コンソールを使用するには、監視対象データや脅威情報、脆弱(ぜいじゃく)性攻撃プログラム(エクスプロイト)の情報を保持する、追加のサーバとデータベースが必要になる場合がある。
Windows Defender Application Guard
Windows Defenderのもう一つの重要機能である「Windows Defender Application Guard」(以下、Application Guard)は、Webブラウザを介したマルウェア攻撃からエンドユーザーを保護する。Application Guardは、エンドユーザーがWebブラウザの「Internet Explorer」や「Microsoft Edge」を安全に利用できるようにする。具体的には、Microsoftの仮想化技術「Hyper-V」をベースとしたコンテナ技術を使ってWebサイトを開くことで、安全性を確保する。
エンドユーザーが悪意あるWebサイトを開くと、Application Guardは、ペイロード(攻撃用プログラム)がマシンや組織のネットワークに拡散するのを防ぐ。IT担当者は、Application GuardがどのようなWebサイトを信頼し、どのようなWebサイトを信頼しないかを定義できる。
IT担当者は、構成管理製品「System Center Configuration Manager」やデバイス管理製品「Microsoft Intune」を使って、Application GuardをデスクトップPCやノートPCに適用できる。Exploit Guardと同様に、Application Guardを使用するには、監視対象データと脅威の情報を保持する、追加のサーバとデータベースが必要になる場合がある。
Windows Defender ATP
前述したWindows Defender ATPは、高度な脅威を正確に検出するよう設計された、動作の監視と分析をベースにした製品だ。デバイスやエンドポイントからエージェントなしで動作データを収集・保存し、ダッシュボードで可視化する。ダッシュボードはアラートや危険な状態にあるマシンなどを表示する。IT担当者はダッシュボードの情報により、適切にマルウェアの脅威を検出・調査し、それらに対処できる。
IT担当者はWindows Defender ATPのダッシュボードで、アラートやデバイスの管理状態などを確認できる。エンドユーザーの行動を分析して、セキュリティ脅威を識別することも可能だ。多数のマシンのセキュリティ状態を素早く把握することもできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
9
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
10
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー