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AI(人工知能)で脳出血を容易に検出 放射線医学のAI活用事例:臨床現場の業務負担を軽減
人工知能(AI)が放射線医学に与える影響を示す例について、2人の放射線科医の話を基に紹介する。新旧画像の比較や、深刻な症状の患者の優先治療などにAIが活用されているという。
放射線医学での人工知能(AI)技術の利用は、まだ一時的ではない。調査会社Frost & Sullivanのアナリストによると、特に画像分析分野において、AI技術が2034〜2039年には放射線医学にとって不可欠なツールになる可能性があるという。
Frost & Sullivanで医療業界のアナリストを務めるシッダルタ・シャー氏は次のように話す。「医療機関は放射線科医の業務にAIツールを導入し始め、有用性が実証されつつある。放射線医学におけるAIのイノベーション段階は終わろうとしている」
シャー氏は「毎日画像を分析している放射線科医なら、画像の検査を迅速化するのにAI技術が役立つ」と語る。この効果を実感している医師がいる。ユタ大学健康科学部のリチャード・H・ウィギンズ3世氏は、医療機器メーカーPhilipsの医療部門であるPhilips Healthcareのツールを利用して、時系列の患者のスキャン画像を継続的に収集している。医療機関を運営するCapital Healthのアジャイ・チョウドリー氏はAI技術を応用した臨床ツールを利用して、CT(コンピュータ断層撮影)スキャン画像から脳出血の有無を判断する。
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