Chromebook導入のハードルはもうない? 「ブラウザOS」の課題を整理する:「ブラウザOS」の可能性と課題【後編】
「Chrome OS」をはじめとする「ブラウザOS」は、従来型OSとの違いから生じる課題に対処する必要があると考えられてきた。それらの課題は、今も課題のままなのか。専門家に聞いた。
前編「Chromebookの『ブラウザOS』市場にApple、Microsoftが進出する?」は、調査会社VDC Research Groupのエリック・クライン氏へのインタビュー内容を基に、Webブラウザを中核要素とした「ブラウザOS」に関するベンダー各社の動きを紹介。ノート型デバイス「Chromebook」が搭載する「Chrome OS」で市場をリードするGoogleだけでなく、MicrosoftやAppleもブラウザOS市場に関心を寄せているという、クライン氏の見方を紹介した。
後編となる本稿は、企業にとってのブラウザOSの可能性と課題をあらためて整理する。
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Chromebookをシンクライアントとして使う
―― 企業にとって、なぜWebブラウザの重要性が増しているのでしょうか。
クライン氏 ユーザーエクスペリエンス(UX:経験価値)に対する見方が変わったからだ。これは部分的には、われわれがスマートフォンを前提として、これまでとは違うやり方で互いに連絡を取り合うようになったことと関係がある。
企業向けアプリケーションのベンダーがこぞってクラウドに力を入れ、多額の投資をして、顧客にもクラウドへの移行を促している事実にも関係がある。SAPであれ、Oracleであれ、Microsoftであれ、進化の手段としてクラウドを受け入れている。
こうした動きは、例えば大規模なERP(統合管理)やCRM(顧客関係管理)などのパッケージに依存する製造大手のユーザー企業を変化させている。ベンダー各社はユーザー企業のクラウドへの移行を後押ししている。そのやり方は最初のうちは必ずしもスムーズではなかったものの、やがてその状況から抜け出した。移行の成功事例は豊富にある。
Webブラウザはアプリケーションにアクセスするための媒体になった。エンドユーザーは今、この方法で作業をすることに慣れつつある。ベンダー各社は、Webブラウザをワークスペースにする方向へと動いている。
―― IT管理者にとって、ブラウザOSの難点は何でしょうか。
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