いまさら聞けない「TCP/IP」と「OSI参照モデル」の違いは?:ネットワークの基本をおさらい
「TCP/IP」と「OSI参照モデル」は何が違い、ネットワーク分野においてどのような関係にあるのか。ネットワークの基本をおさらいしてみよう。
「TCP/IP」と「OSI参照モデル」の違いを理解するためには、これらが何のためのものなのか、まずはその基本を理解することが必要だ。
TCP/IPは米国防総省のネットワーク研究から誕生した。インターネットを可能にする2つのネットワークプロトコル、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)で構成される。IPは異なる複数のネットワークを相互に接続し、データを伝送することを実現するプロトコル。TCPはIPネットワークにおいて信頼性の高い通信経路を作成するためのプロトコルだ。
IPはアドレス割り当てと経路指定に使用される。TCPはIPを介した接続の中で、破損したり損失させたりせずにデータを送受信するために使用される。
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OSI参照モデルとは
国際標準化機構(ISO)が策定したOSI参照モデルは、ネットワークの要素を階層別に分類したモデルだ。OSIは開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection)を意味する。OSI参照モデルの目的は、ネットワークベンダーや開発者の間におけるネットワークの相互運用性を高めることだった。
OSI参照モデルはネットワークを7つの要素に分割する。ノード同士の物理的な接続を担う第1層(物理層。レイヤー1、L1とも)から、具体的な通信サービスを提供する第7層(アプリケーション層。レイヤー7、L7とも)までを定義する。OSI参照モデルにおける理想的な構成は、ある層の要素は1つ上の層にサービスを提供し、1つ下の層のサービスを利用するが、それ以外の層とは直接やりとりをしないという構成だ。
OSIモデルの7つの階層
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