NASAが取り組んだデータの“脱サイロ化” 突破口は「データ仮想化」:データサイロを解体した4社の事例【前編】
サイロ化したデータが企業の効率を妨げている。この課題を克服した4社のIT担当者が解決方法について語った。
専門家の見解とアンケート結果には一致している点がある。それはデータサイロが企業にとって大きな問題になることだ。残念ながら、データサイロを解体するのは簡単ではない。
Adobeは2019年3月、IT意思決定者1000人を対象に実施した調査結果を公開した。この調査では回答者の37%が、レガシーシステムを統合して顧客情報を1箇所にまとめる際にITチームが直面する最大の課題はデータサイロだと答えている。
企業のデータ統合を専門に扱う企業Stardog Unionを設立して同社で最高技術責任者(CTO)を務めるケンダル・クラーク氏は「データサイロはITの分野でいまだ解決されない最大の問題の1つだ。状況は悪化している。データサイロは古くても朽ち果てることがない。そのコンテンツを統合することに専念し、社内のあらゆる政治的側面をアクティブな状態で維持するためには、サイロが閉じ過ぎないように留意しなければならない」と語る。
データが異なるサイロに格納されている際の最大の問題は、多くのデータ構造の整合性が取れていないことだ。この統合の問題に対処するため、クラウドプラットフォームに目を向ける企業が増えている。また、統合はテクノロジーの問題であると同時に、人的問題でもあることに企業は気付き始めている。
以下では、データサイロを解体し、データサイロがもたらす負の影響を最小限に抑える企業が採用した方法を紹介する。
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データの“脱サイロ化”に挑む
データサイロに対するNASAの解決策
データサイロと向き合わなければならないのは、政府機関も同じだ。Stardog Unionの最大顧客であるNASAは、同機関が行った多くのテスト、失敗、実験、設計の相関関係を分析するのに何年も取り組んでいる。Stardog Unionのサポートによって、NASAは同機関が保有するデータの統合ビューの実現に成功し、状況が変わった。
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