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病院が「電子カルテ」をリプレースせざるを得ない5つの事情米国電子カルテ市場の動向

電子カルテのリプレースは簡単ではない。だがベンダーの買収や組織規模の拡大といった事情で、リプレースが必要になる場合もある。こうした5つの事情を説明する。

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 「電子医療記録」(EMR:Electronic Medical Record)とも呼ばれる電子カルテ。そのリプレースが極めて困難なプロジェクトなのは間違いない。だがさまざまな事情でリプレースを希望する医療機関がある。


 電子カルテのリプレースには、まず投資が必要になる。スタッフのトレーニングのやり直し、データの移行も必要だ。技術的問題が生じる可能性もある。それでも、既存の電子カルテを移行せざるを得ない理由は幾つかある。例えばシステムのパフォーマンスが不十分、法的に必要な仕様を満たしていない、重要な機能が不足している、などだ。

 医療機関は絶えず変化を求められている。特に米国の場合、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS:Centers for Medicare and Medicaid Services、注1)からの保険支払額はアウトカム(治療成果)に基づく支払いモデルとなっている。他にも公衆衛生への差し迫ったニーズ、患者エンゲージメント(患者自身が自ら積極的に治療について学習し、最適な医療を選択して関与すること)の向上に対するニーズ、データ分析の活用に対するニーズに関連した課題がある。こうした変化に全て対処できる電子カルテベンダーは多くない。

※注1:高齢者が加入する「メディケア」および低所得者・障害者が加入する「メディケイド」という、2種類の公的医療保障制度の運営主体。米国保健福祉省に所属する組織の一つ。

 米国では、医療機関が選べる製品やベンダーのリストに制限がある。ただしAllscripts Healthcare Solutions、NextGen Healthcare、GE Healthcare(General Electricのヘルスケア部門)、eClinicalWorks、athenahealth、Greenway Healthといったベンダーのように、幾つか代表的な選択肢はある。

 本稿は「これが生じたら電子カルテのリプレースを検討すべきだ」という5つの事情を解説する。

事情1.電子カルテをオンプレミスからクラウドにリプレースする

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