不動産管理会社が「ERPの標準レポート機能は不十分」と感じた理由:不動産管理会社のERPレポート活用事例【前編】
不動産管理を手掛けるMidwest Property Managementは、ERPシステムが標準搭載するレポート機能に不満を抱いていた。それはなぜなのか。どのように解消したのか。
企業にとってERP(統合業務)システムは心臓部に当たる。だが、そこから有用なデータを簡単に引き出せるとは限らない。カナダの不動産管理会社Maclab Properties Groupの一部門、Midwest Property Managementもそうした組織の一つだった。だが、それはinsightsoftware(Global Software)のERPレポートツール「Spreadsheet Server」に出会うまでの話だ。
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ERP導入の成否を分けるもの
Midwest Property Managementは、MRI Software(以下、MRI)の不動産業界向けERPシステムを使って運用データを扱っている。同社で不動産アナリストを務めるジョセリン・ルルー氏によると、このシステムには堅牢(けんろう)なERPレポートツールが欠けていたという。同社は、自社の管理レベルに合わせて微調整できるレポート機能を必要としていたが、MRIのシステムにはその種のレポート機能がなかった。「MRIのERPシステムは優れている。だが最適なレポートソフトウェアが付属していない」(ルルー氏)
この状況を変えたのがSpreadsheet Serverだった。Spreadsheet Serverを使うと、ERPシステム内のデータをリアルタイムに反映した財務報告書の作成に加え、特定のユーザーや機能に合わせた財務報告書の設計ができるようになる。ルルー氏は、こうした対象を絞った機能と使いやすさこそが、Spreadsheet Serverと一般的なビジネスインテリジェンス(BI)ツールとの違いだと考えている。ただしSpreadsheet Serverは競争の激しいBI市場で著名ブランドと対抗するのに苦戦する可能性があるとも考えている。
なぜERPの標準レポート機能では満足できないのか
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