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「電子カルテを私物スマホで見たい」を安全にかなえる方法は?:病院のBYODで想定すべきリスクと対策
医療機関は患者情報などの機密データを扱うため、セキュリティ対策とデータ保護は特に重要だ。医療機関で私物端末の業務利用(BYOD)が一般的になると状況は複雑になる。最低限どのような対策が必要か。
「モバイルデバイスはデスクトップPCよりも安全である」という神話は正しくない。医療の現場で使うモバイルデバイスのセキュリティを維持するには、保護状態を維持する方法をユーザーに思い出させるためのさまざまな取り組みをする必要がある。
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医療機関のIT部門にとって、医師が保有する個人デバイスの保護と管理は難しい。IT部門は通常、個人のデバイスでは個人のコンテンツに干渉する可能性があるツールの使用を強制できないからだ。医師が電子カルテなど病院のシステムにある患者のデータにアクセスするために個人用デバイスを使用している場合、そのデバイスを紛失するとデータセキュリティの懸念につながる。権限のないユーザーがデータにアクセスすると、米国ではHIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)の違反に直結するからだ。
スマートフォンは、コミュニケーションからショッピング、仕事関連のコンテンツへのアクセスまで幅広い目的で使用されるようになり、必須のアイテムになった。医療機関で働くモバイルユーザーは、病院や診療所で通話中あるいは巡回中であっても、迅速かつ容易に医療記録にアクセスできる。
モバイルデバイスで医療データを安全に利用できるようにする方法
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