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「Docker」と「説明可能なAI」が2020年のクラウドで注目の理由専門家が語る2020年のクラウド動向【前編】

2020年に、クラウド市場にはどのような変化が起こるのか。特にコンテナと人工知能(AI)技術に関する動向を予測する。

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 2020年にはクラウド市場で何が起こるのか。前後編にわたり、2020年に起こる可能性のある変化に関するIT専門家の話を紹介する。クラウドに関する変化について明確な予測を立てるのは難しいが、IT戦略を立てるときの参考にしてほしい。

コンテナ管理は“Kubernetes一強”に異変か

クリス・トッツィ氏(ITコンサルタント) アプリケーションの稼働環境を仮想化する「コンテナ」を巡る動きは沈静化している。2010年代後半には、コンテナの管理やデプロイ(配備)を効率化する「コンテナオーケストレーションツール」が脚光を浴びた。コンテナオーケストレーションツールのシェア獲得競争では「Kubernetes」が優勢だ。

 最近はKubernetesと競合する新製品や、Kubernetesで構築したコンテナ環境に加えることが可能な、次世代コンテナテクノロジーが登場する兆候がある。非営利団体OpenStack Foundationが2017年末に開発プロジェクトの開始を発表したオープンソースコンテナランタイムの「Kata Containers」は、この予測が既に現実化しつつあることを示す一例だ。

 アプリケーション開発ツールベンダーのMirantisは2019年に、コンテナ管理ソフトウェア「Docker」の企業向け商用版「Docker Enterprise」を事業買収した。この動きは、Kubernetesを独占的なコンテナ管理ソフトウェアにしないよう取り組む企業の動きを活性化させる可能性がある。Dockerは、企業や開発者が新たに機能を追加することで、Kubernetesの魅力的な代替手段へと変わる可能性がある。

 こうした取り組みはいずれも、Amazon Web Services(AWS)や「Microsoft Azure」を擁するMicrosoftなどのクラウドベンダーが提供する新たなコンテナ関連サービスに結び付く可能性がある。新種のオープンソースコンテナプロジェクトの誕生が続いたり、Dockerに関連するベンダー各社の投資が活発化したりすれば、こうした動きは加速するだろう。

アラン・アールズ氏(ITジャーナリスト) コンテナは急速に普及しており、ITインフラの再構築を後押ししている。ただし注目され過ぎて、コンテナの長所を相殺するようなITインフラの管理がなされるようになっては本末転倒だ。コンテナはさまざまな価値をもたらすとはいえ、悩みの種を全て完全に解決するものではない。

クラウドのAIサービスは「説明可能なAI」に注目

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