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病院のIT化になぜ「組織横断型チーム」が必要なのか “変えたくない人”を攻略:病院のIT導入における「変更管理」戦略【後編】
医療機関で新しいテクノロジーの導入を成功させるこつは、組織横断型チームを結成して綿密なコミュニケーションを続けることだ。大規模医療グループのITリーダーが重視するポイントを解説する。
250カ所以上の連携医療機関を抱える医療グループのNorton Medical Groupで、バイスプレジデントとしてサービスと事業の成長を担うクレイグ・ジョンソン氏は「新しいテクノロジーに対する支援を得ることが『変更管理』(システムの変更に伴う影響を抑えながら、効率的に変更を進められるように変更プロセス全体を管理すること)の鍵だ」と述べる。支援とは前編「病院のITリーダーはなぜ『根回し』を重視するのか」で紹介した「ソーシャライゼーション」、つまり「根回し」のことではない。新しいテクノロジー導入という目的のために設立した組織横断型チームの協力を仰ぐことだ。
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2018年、Norton Medical Groupは「エグゼクティブメディカルディレクター評議会」を設立した。この評議会は、導入候補のテクノロジーを審査する11人のエグゼクティブメディカルディレクター(病院経営を担い、かつ対外的な活動をする医師などの医療関係者)で構成され、月2回の会合を実施している。
Norton Medical Groupはテクノロジー導入検討の初期段階に、エグゼクティブメディカルディレクター評議会に意見表明の機会を与えている。これにより新しいテクノロジーを導入する際に変化を警戒しがちな関係者の協力を得やすくなる。その筆頭が医師だ。
「組織横断型チーム」がテクノロジー導入成功の鍵
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