「レジリエンス」が必要な理由【前編】
「レジリエンス」とは何か? なぜ必要か? 事業継続計画(BCP)を補完
ビジネスの継続性を維持するためには「レジリエンス」が重要だ。ベンダー各社が注目する理由とは何か。レジリエンスの市場動向を整理する。
企業にとって「レジリエンス」(障害発生時の回復力)とは何を意味するのだろうか。レジリエンスは非常に一般的な言葉だが、ここ数年でITベンダーが使う言葉の定義は狭まり、目的がはっきりしてきた。
IT部門におけるレジリエンスとは、混乱が起きたときに企業がそれに対処し、従業員、データ、企業の評判を守りながら業務活動を継続できるようにすることを表す。この考え方は「事業継続性」と同じように見える可能性があるが、同じではない。むしろ補完的に考える必要がある。継続性を保てなければレジリエンスを実現する見込みもない。レジリエンスの目標には、ビジネスを稼働させ続けることだけではなく、混乱が終わった後に元の状態に戻ることも含まれる。
なぜ今、レジリエンスが重要なのか。レジリエンスの市場はどのような状況なのだろうか。
レジリエンスが必要な理由
業界アナリストは昔から、レジリエンスに取り組む重要性が増していることを指摘している。災害復旧(DR)の復旧要件の厳しさがレジリエンスの必要性を高めている。
今はわずかなダウンタイムやデータ損失でも許されなくなっている。かつては「あるに越したことはない」といった程度の手段として考えられていた復旧機能が、今や必須の機能となった。レジリエンスで重要視されるのは、ビジネスプロセスの継続と、できる限りの迅速な完全復旧だ。
調査会社IDCが2019年に報告した調査レポート「The State of IT Resilience Report 2019」(DRベンダーZertoが調査を委託)は、業界内におけるレジリエンスの低さと、多くの企業が変化を求めていることを示している。
レジリエンス市場にベンダーが注目
ベンダー各社は、レジリエンスの実際の意味を明確にし、その実現手段を提供しようとしている。Zertoはレジリエンス製品群「Zetro IT Resilience Platform」を提供することで最前線に立っている。レジリエンスに力を入れている他のDRベンダーにはUnitrends、VMware、Druva、Cohesity、CloudEndureなどがある。
最近のレジリエンス市場での主要な変化は、クラウドベースのレジリエンスサービスの普及だ。当然ながらベンダーが重要なレジリエンス要素をパッケージ化したレジリエンスソフトウェアも充実している。レジリエンスソフトウェアが含む要素にはビジネスインパクト分析、リスク評価、DRテストなどがある。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)が目立っていることで、セキュリティが事業継続計画(BCP)の重要な要素になっている。従来のDRベンダーの中には、セキュリティ機能を自社の製品やサービスに追加しているベンダーもある。
後編は、レジリエンス計画で必要になる要素を解説する。
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