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“期待外れのマルチクラウド”を生まないためのセキュリティ4カ条:自社に適した手法選択のヒント
シングルクラウドに存在する幾つかの課題は「マルチクラウド」の採用で解消できるという考え方がある。本当にそうなのか。マルチクラウドが自社に適しているかどうかを見てみよう。
企業がクラウドの導入を進める際、単一のクラウドベンダーのサービスを導入する「シングルクラウド」から始めることは珍しくない。シングルクラウドには以下に挙げる複数の制限がある。
- ダウンタイム
- クラウドベンダーで大きな障害が発生すると、ネットワークとサーバをダウンさせる単一障害点になる可能性がある
- セキュリティとプライバシー
- どのクラウドサービスでも、セキュリティとデータのプライバシーに関する懸念が存在する。ベンダーがデータ暗号化と内部統制を実施しているかどうか確認すべきだ
- 脆弱(ぜいじゃく)性
- シングルクラウドにおいて脆弱性が存在すると、クラウドにある全てのシステムやデータが影響を受ける可能性がある
- 制御性や柔軟性を考慮した設計の制限
- 一度に利用できるリソースの制限
- ベンダーロックイン
これらの問題に対する懸念があるため、企業の間では複数の異なるクラウドベンダーを同時に利用する「マルチクラウド」を採用する傾向が強くなっている。マルチクラウドに移行する場合、セキュリティ戦略はどうすればよいのだろうか。
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マルチクラウドの運用管理
単一のクラウドベンダーに多額の投資をすることで企業が直面する問題の一つは、ベンダーロックインだ。クラウドサービス固有のセキュリティ機能を重用し過ぎると、マルチクラウドに移行する際に大きな制限が生じる可能性がある。異なるクラウド間で同一のアクセス制御が必要になる場合があるためだ。
マルチクラウドのセキュリティ戦略を立てるには、以下の4つのポイントを考慮するとよい。
マルチクラウドで考慮すべき4つのポイント
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