セキュリティ部門を定型業務から解放する
「SOAR」とは? セキュリティ担当者を楽にする3つのメリット
セキュリティ製品の運用の効率化や自動化を実現することが「SOAR」製品の目的だ。SOAR製品を導入すると、具体的にどのようなメリットが得られるのか。
「SOAR」(Security Orchestration, Automation, Response)製品は、ユーザー企業が利用中のセキュリティ製品の脅威情報を集約し、それらのオーケストレーション(統合的な運用)や運用の自動化を実現することが目的だ。SOAR製品によって、セキュリティ担当者は業務の省力化が可能になる。
セキュリティインシデント対処の効率化もSOAR製品の重要な役割だ。SOAR製品がセキュリティ製品の運用負荷を軽減し、定型業務を自動化することで、セキュリティ担当者は自由に使える時間を確保しやすくなり、複雑な問題に腰を据えて取り組むことが可能になる。
セキュリティ製品の運用にSOAR製品がどう役立つのかを以下3つの視点で解説する。
- インシデント対処にかかる時間の短縮
- セキュリティ担当者のスキル補完(会員限定)
- 人的エラーの減少
1.インシデント対処にかかる時間の短縮
SOAR製品による脅威検出の自動化により、脅威検出に要する平均時間(MTTD)と対処に要する平均時間(MTTR)を短縮できる。インシデントが発生した際、検出と対処にかかる時間が短ければ、侵害で被るコストを低減できる可能性が高まる。インシデントを検出してから対処するまでの時間を短縮するには、セキュリティ製品の運用体制の継続的な見直しと、SOAR製品の理解が欠かせない。
2.セキュリティ担当者のスキル補完
企業の人事・採用担当者は、セキュリティ人材の確保に熱心だ。だが人材不足の現代ではそれは難しく、「ギャップを埋めるための自然な成り行きが自動化だ」と指摘する専門家もいる。
SOAR製品は定型業務の自動化に役立つ。手動で問題に対処する回数を減らせば、優秀な人材や手の空いた従業員がいなくて後回しになっているセキュリティ対策に時間と余力を割けるようになる。
3.人的エラーの減少
パッチ管理は、システムのメンテナンスに不可欠な業務だ。即座にパッチを適用できなければセキュリティが脆弱(ぜいじゃく)になる恐れがある。そこでSOAR製品の出番だ。パッチ管理を効率化するSOAR製品の働きは2つある。
1つ目は、パッチ管理の監視と適用を自動化することで、「パッチ管理の面倒な業務をどうこなすか」というセキュリティ担当者の議論を排除することだ。プログラムなどの成果物のバージョンを管理する「構成管理システム」(CMS)をSOAR製品と連携させることで、より簡単にパッチ管理を自動化できる。
2つ目は、システムの脆弱性をスキャンして報告する「脆弱性管理システム」から脆弱性に関するデータを引き出し、技術者がそのデータを分析できるようにすることだ。SOAR製品がなければ、このようなデータは適切な知識や権限を持つ技術者の手に渡らず、セキュリティ担当者の領域にとどまることになる。
どちらの点でもSOAR製品は、専門的なシステムで限定的に使用されていたであろう情報を利用可能にする役割を果たす。セキュリティ運用の課題を解決するためには、パッチ管理や脆弱性監視のオーケストレーションと運用自動化を可能にするSOAR製品を使用するとよいだろう。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー