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業界初の「ラックマウント型サーバ」「ブレードサーバ」とは?「サーバ」の歴史を振り返る【中編】

サーバの進化を知る上で欠かせないのがラックマウント型サーバやブレード型サーバの登場だ。どのようにして誕生したのかを振り返る。

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 「サーバ」にさまざまな変化をもたらしたのが、ハードウェアの進化だ。サーバに利用されるハードウェアのフォームファクター(形状や仕様)は多岐にわたる。代表的なフォームファクターがどのように誕生し、どのような変化をサーバにもたらしたのかを見てみよう。

1994年:「ラックマウント型サーバ」登場

 1990年に「Webサーバ」が開発されて世界中で利用が広がると、すぐに「ラックマウント型サーバ」が開発された。業界初のラックマウント型サーバは、Compaqが1994年に発表した「Compaq ProLiant 4000R」だと言われている。サーバを収容する複数のスロットで構成されたラックである「サーバラック」1台に、複数のラックマウント型サーバを積み上げて搭載できる。そのためスペースを効率的に使用してサーバを保管できるメリットがある。

 ラックマウント型サーバの登場はサーバの運用に、ある変化をもたらした。

 サーバラックを使用して複数のサーバを小さなスペースに収容できるようになった結果、狭いスペースに過度に熱が蓄積するという問題が浮上した。サーバを運用する室内を最適な温度に保つための冷却システムが必要になった。

 その頃、ITで成長を遂げた企業は、サーバなどのコンピュータを1つの部屋に集約し始めた。これを通称「サーバルーム」と呼ぶ。当初は社内の使われていない場所や古くなった場所がサーバルームとして使用された。最終的には室温の監視やセキュリティの問題に対処するため、サーバ専用の部屋を設計するようになった。現在の「データセンター」の原型は、この時誕生したことになる。

2001年:「ブレードサーバ」誕生

 2001年に、サーバベンダーRLX Technologiesが商用の「ブレードサーバ」を出荷した。これが業界初の商用ブレードサーバだと言われている。

 ラックマウント型サーバが抱えていた幾つかの課題を解消したブレードサーバは、サーバの歴史を一歩前進させた。ブレードサーバはラックマウント型サーバよりも使用するコンポーネントを減らすことで消費電力を最小限に抑えた他、スペースのさらなる節約につなげた。

 ブレードサーバは「ブレードシャシー」と呼ばれる、複数のブレードサーバを登載するための筐体に収容される。ブレードシャシーは、ハードウェアの冷却装置やネットワーク機器などさまざまなコンポーネントを搭載した。サーバラックに取り付けることも可能だ。

 サーバが性能を落とすことなく小型化を進めたのは、ブレードサーバの登場が少なからず影響している。これによって企業は、データセンターにあるサーバの密度を高められるようになった。ブレードサーバの登場で、企業はより効率的かつ戦略的にサーバを利用できるようになったのだ。

2013年:“ソフトウェア定義サーバ”誕生

 2013年、Hewlett-Packardが“業界初のソフトウェア定義サーバ”をうたう新たなサーバ「HP Moonshot System」(現「HPE Moonshot」)を発表した。HPE Moonshotは省電力のマイクロプロセッサで動作する。従来のサーバと比べて消費電力と設置スペースを削減できることが特徴だ。膨大な量のデータを扱ったり、高速なコンピューティング処理が要求されたりする特定のシステム向けに開発された。

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