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いまさら聞けない「マイクロプロセッサ」とは? 「CPU」と何が違う?「CPU」と「マイクロプロセッサ」の違い【後編】

混同されがちな「CPU」と「マイクロプロセッサ」は、何が異なるのか。「マイクロプロセッサ」の基本的な意味を整理した上で、両者の違いを確認する。

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 前編「いまさら聞けない『CPU』とは何か?」は、「CPU」(中央演算処理装置)の基本的な役割と仕組みを整理した。後編は「マイクロプロセッサ」の基本的な事項を解説し、CPUとマイクロプロセッサの違いを整理する。

 ITの草創期には、CPUはコンピュータの“メインエンジン”だった。複雑で時間のかかる、さまざまなタスクを処理していたからだ。ただしCPUが処理するタスクの中には、グラフィックスやネットワーク関連の処理など、CPUには荷が重い複雑なタスクがある。こうした処理を肩代わりする独立した装置が次々と生まれる中、マイクロプロセッサはこうした装置をコンポーネントとして取り入れ始めている。

「CPU」と「マイクロプロセッサ」の違い

 マイクロプロセッサ(「MPU」とも呼ばれる)は基本的に、CPUを単一のLSI(大規模集積回路)に実装したものだ。マイクロプロセッサはCPUの全ての機能を備え、「レジスタ」(CPUの高速処理を実現するために、CPUに近い場所に設置する記憶装置)を使って論理演算や算術演算を実行できる。

 管理者がコンピュータの電源を入れると、マイクロプロセッサはOSの起動を制御する「BIOS」から最初の命令(インストラクション)を受け取る。その後はBIOSやOS、マイクロプロセッサを動かすアプリケーションのいずれかからインストラクションを受け取ることになる。

 マイクロプロセッサ市場では、IntelとAMD(Advanced Micro Devices)が人気の高い2大ベンダーだ。一般的な「x86」に加えて「Arm」「SPARC」といった、さまざまなアーキテクチャに基づくマイクロプロセッサが市場に出回っている。

 CPUとマイクロプロセッサの違いが分かりづらいのは、前述の通りCPUは一般的にマイクロプロセッサとして実装されているからだ。IT管理者は、CPUとマイクロプロセッサを同じ意味の言葉として扱う傾向がある。ただし実際には、現在のCPUが基本的にマイクロプロセッサとして実装されている一方で、マイクロプロセッサは必ずしもCPUそのものというわけではない。

 例えばさまざまなコンピュータで利用されている「GPU」(グラフィックス処理プロセッサ)も、マイクロプロセッサの一部として実装されることがある。GPUはジオメトリ演算(図形データをディスプレイに表示するための演算)を用いたレンダリング(グラフィックスの描画)に最適化された装置だ。GPUは並列処理を利用して、CPUよりはるかに高速にレンダリングできる。

 機械学習アルゴリズムの高速化に特化した「NPU」(ニューラルプロセッシングユニット)も、マイクロプロセッサの一部となり始めている。GPUやNPUは基本的に、グラフィックス処理やネットワーク処理など、CPUが担っていた特定の処理を肩代わりし、CPUの速度やパフォーマンスを向上させる。

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