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“遅くて使えない仮想デスクトップ”を生む2つの原因とは?VDIの“誤解”を検証する【中編】

VDIの導入後、仮想デスクトップの画面が荒くなったり、入力に対する反応が遅れたりすることがある。こうしたVDIのパフォーマンス問題はなぜ起きるのか。

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 「VDI」(仮想デスクトップインフラ)のエンドユーザーと管理者にとって大きな問題は、仮想デスクトップの画面転送速度や遅延といったパフォーマンスの低下だ。この問題の解決には多大なコストがかかることがある。前編「『VDI』の知るべき真実 『管理が楽で高セキュリティ』の“例外”」に続く本稿は、VDIのパフォーマンス低下をもたらす原因を説明する。

 パフォーマンス問題の主な原因として、VDIのストレージの不備が挙げられる。IT部門はVDIのコスト節約を実現するために、必要最小限の容量のストレージで済ませようとすることがある。これは仮想デスクトップの入出力に遅延を引き起こしたり、アクセスが集中した時にトラブルが生じたりする原因となる可能性がある。VDIのストレージは、業務開始時刻に集中するエンドユーザーの起動処理やマルウェアスキャン、ソフトウェア更新、システムバックアップを問題なく実施できるように選ぶ必要がある。

 もう一つの原因が、VDIのネットワークの不備だ。

 VDIは、ネットワークを圧迫することがある。業務で利用する全てのデータが、データセンターとクライアント端末の間を行き来するからだ。VDIの導入前からあったネットワークをVDIでそのまま使用している場合、それがパフォーマンス低下の原因となることもある。

 IT担当者は、従来のネットワークを増強できる。だがそのネットワークが、VDIを考慮せずに構築されたことに変わりはない。

 ネットワークに遅延があると、仮想デスクトップで稼働するマルチメディアアプリケーションはほとんど使い物にならなくなる。データ量の大きいファイルを扱う場合は、この問題が顕著になる。

 こうした問題を解決するために、VDIベンダーは幾つかの対策を採用している。その一つが、動画ファイルをクライアント端末で閲覧する際、画面転送を利用しないことだ。これはクライアント端末で直接、動画ファイルを再生することを意味する。そのためVDIのメリットが損なわれてしまう。


 後編は、VDIのコスト要素を取り上げる。

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