無線LAN「QoS制御」の仕組み【後編】
家庭用無線ルーターでも注意 「無線LANのQoS制御」に失敗しない方法
一般的な無線LAN機器には「QoS制御」機能が実装されている。ただし正しく使うには注意が必要だ。無線LANのQoS制御の効果を有効に引き出すために知っておくべきこととは。
無線LANの帯域幅を制御する「QoS制御」(QoS:Quality of Service)は、使用するアプリケーションによっては高い信頼性が求められる。例えば医療機関向けの音声通話システムを使用する場合だ。こうした場合は注意深く帯域幅を設計しなければ適切に機能しないため、QoS制御に関する専門のスキルが必要になる。
意図した通りにQoS制御が機能すれば、優先度の高いアプリケーションは優先的に帯域幅を確保する。これによって重要なアプリケーションの動作に問題が発生することを防ぐ。
家庭用無線LANルーターでも有効、無線LANのQoS制御で注意すべき点
意図した通りにQoS制御を機能させるのは簡単ではない。QoS制御の目的だけを実現しようとすると、トラブルシューティングが難しい別の問題が発生することがある。QoS制御の仕組みは万能ではない。QoS制御以外の無線LANの仕組みにも配慮が必要だ。
QoS制御の効果を有効に引き出すには、帯域幅をどう設定するかだけではなく、LAN全体をどう設計するかを考慮しなければならない。基本的には無線LANと有線LANでは、適切なQoS制御方法は異なる。異なるベンダーの製品を利用するマルチベンダー環境では、LAN全体の適切なQoS制御を実現する難易度はさらに上がる。
一般的な家庭用の無線LANルーターでもQoS制御は可能だ。家庭用の無線LANルーターの場合、ゲームや動画を優先するQoS制御機能が実装される傾向にある。
注意が必要なのは、特定のアプリケーションの帯域幅利用を優先する効果は、対象のLAN内に限定され、その外部に効用が及ぶことはまずない点だ。LAN内のネットワーク機器とクライアントデバイス間ではQoS制御が適用されるが、インターネットに出るトラフィックには基本的には適用されない。トラフィックがインターネットに出るときは、全体がベストエフォート型のネットワークのトラフィックにまとめられてしまう。
アプリケーションの遅延をできるだけ削減したいのであれば、混雑が発生しがちな無線LANではなく、接続の安定性が高い有線LANを利用することも一つの手だ。
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