テレワーク長期化を「DaaS」で乗り越えるための注意点と解決策:「DaaS」はテレワークの必需品か【後編】
DaaSの導入はテレワーク実現の有力な手段だ。ただし急場しのぎではなく長期的なテレワークの手段としてDaaSを活用する場合、導入や運用時に注意しなければならないことがある。それは何か。どう解決すればよいのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を機にテレワークに移行した組織の中には、テレワークのために最適な技術を見つけて新しく導入しなければならないところもある。「既存のシステムにテレワークのための機能を追加するか、新しい製品やサービスを導入する必要がある」と、DaaS(Desktop as a Service)ベンダーEvolve IPのCTO(最高技術責任者)であるスコット・キンカ氏は言う。
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仮想デスクトップの注意点
テレワークへのDaaSの導入事例
Evolve IPはユーザー企業に対して、DaaSを使ったテレワーク実現の注意点を解説したドキュメントを提供する。このドキュメントに記載されているのは、セキュリティ対策やポリシーの設定、業務アプリケーションの選定、ファイルの共有手順など12個の注意点だ。
テレワークの長期化に備えるDaaSの補完手段とは
キンカ氏によるとテレワークへ移行した企業では、DaaSでは利用が難しいアプリケーションの存在が問題になることがある。VPN(バーチャルプライベートネットワーク)やオンプレミスのVDI(仮想デスクトップインフラ)を経由しないと利用できない、社内のレガシーアプリケーションがそれだ。これらのアプリケーションは、インターネットに接続すれば利用できるDaaSやSaaS(Software as a Service)とは異なり、VPNやVDIのシステム構築・運用が必要になったり、VPNやVDIのシステムに十分なスペックがないと快適に利用できなかったりする。
一部のERP(統合業務)パッケージや会計アプリケーションのように、SaaSに置き換えられないアプリケーションが企業内に存在する可能性がある。「当社はそのようなアプリケーションを『アプリケーションラッピング』を使って配信することに力を入れている」とキンカ氏は述べる。アプリケーションラッピングは、クライアント端末に用意した仮想的な隔離領域である「コンテナ」でアプリケーションを動かす技術だ。セキュリティを確保しながら、VPNやVDIの制限を受けずにアプリケーションを利用できるようにする。
アプリケーションラッピングは、テレワークを進める企業がDaaSを補完する手段の一例にすぎない。IT部門は大規模なテレワークを長く続けるために、従業員のワークフローにある問題を発見して改善する必要がある。
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