「Cortana」ビジネス利用への期待と懸念【後編】
「Cortana」ビジネス利用時の懸念 プライバシーはどうなる?
仮想アシスタント「Cortana」の音声コマンドで「Microsoft Teams」を操作する機能は大きなメリットであり、仕事のやり方を一新する可能性もある。だがセキュリティとプライバシーには問題はないのか。
Microsoftはユニファイドコミュニケーション(UC)ツール「Microsoft Teams」向けの追加機能の提供を手掛ける、Yealink Network TechnologyやEPOS Groupといったスマートスピーカーのベンダーと協業している。こうしたスマートスピーカーは会議室用デバイス「Microsoft Teams Rooms」を構成する一要素として、Cortanaの音声コマンドを利用できる。さらに重要なことは、これらのスマートスピーカーが会議のリアルタイム文字起こしを実現し、参加者個人の声を識別して、文字起こしテキストそれぞれに対応するタグを付けることだ。
IT管理者がCortanaの機能へのアクセスを制御できるように、Microsoftは、駒インドラインインタフェース(CLI)の「PowerShell」を使ってアクセスポリシーを定義する方法も提供している。これによりユーザー単位や組織単位で、誰が音声アシスタント機能を利用できるかを管理できる。
ただしCortanaの普及には幾つかのハードルがあることも確かだ。オフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)アプリケーションとの連携機能は魅力的なものの、Cortanaが企業内のコミュニケーションやコラボレーションを実際にどれだけ促進するかは未知数だ。前編「『Cortana』は『Teams』用仮想アシスタントとして生き残るのか?」に続き後編となる本稿は、Cortanaのデメリットを解説する。
Cortana普及のハードル セキュリティとプライバシーに懸念はないのか?
一般的に仮想アシスタントは、背景の音声ノイズの処理や、特定ユーザーの声の認識に限界がある。Cortanaを試すMicrosoft Teamsユーザーが増え、企業向けのコミュニケーションツールとしてCortanaをみなすようになると、こうした技術的限界が大きな問題となる可能性がある。
さらに重要な問題は、Cortanaがユーザーの識別や、発言の文字起こし、固有の声紋の追跡をすることがプライバシー問題につながる可能性だ。Cortanaがいつ、どのように音声を聞いて認識し、記録するかは、IT管理者にとって懸念材料だ。許可されていないユーザーがCortanaを使って、ビジネスアプリケーションやスマートディスプレイを音声で操作する可能性も、IT管理者には気掛かりだろう。
音声コマンドが利用できるアプリケーションは、ビジネスの場で新しい利便性をもたらす可能性がある。複雑なコマンドを適切に処理できる場合は特にそうだ。MicrosoftはCortanaをMicrosoft Teamsと連携させることで、ビジネスユーザーに新しい体験への扉を開いており、ユーザーの仕事のやり方を変える可能性がある。だがIT管理者には、セキュリティとプライバシーに関する懸念が残っている。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
7
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
8
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
9
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
10
「技術屋」で終わらないために 情シスが今取るべき認定資格5選
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー