「ビジネス用メタバース」を始めたFacebook改めMetaは、何を考えているのか?:「メタバース」はビジネスに役立つか【前編】
Facebookは2021年10月に社名を「Meta」に変更し、仮想3次元空間である「メタバース」が今後のビジネスコミュニケーションを大きく変えると意気込んでいる。同社が描くメタバースのコンセプトとは。
Facebookは2021年10月28日(米国時間、以下同じ)に社名を「Meta」に変更した。同社は仮想的な3次元(3D)空間である「メタバース」がインターネットを大きく変え、仕事のコラボレーションの方法も変わると考えている。だが社名を新しくしたからといって、同社のデータ共有とプライバシー問題に向けられる懸念が解消したわけではない。
Metaは「メタバース」で何をしようとしているのか
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CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、2021年10月28日に同社が開催したバーチャルイベント「Facebook Connect」で、メタバース技術がインターネットの次の進化になるというビジョンを示した。仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の市場はますます成長すると見られており、調査会社IDCが2020年11月17日に発表したプレスリリースによれば、2024年までに市場規模が728億ドルになる。
メタバースという言葉は、米国の作家ニール・スティーブンソン氏が書いた『Snow Crash』(スノウ・クラッシュ)という小説に由来する。そのコンセプトは、人々が交流できる持続的な仮想空間であり、VRやARなどの没入型技術で実現するものだ。
ザッカーバーグ氏は「メタバースで人々の共同作業の方法が変わる」と考えている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をきっかけに多くの人がテレワークに移行し、パンデミックが収まった後も多くの人がテレワークを続けると同氏は予想する。
テレワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」に順応するには「人々が一緒に仕事をするためのさらに優れたツールが必要になる」とザッカーバーグ氏は話す。
中編は、メタバースで働くことのメリットと、プライバシーに関する懸念について考察する。
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