実は高価? 「ホワイトボックスネットワーク」の注意点:導入すべきか「ホワイトボックスネットワーク」【中編】
ホワイトボックスネットワークは「安価に導入できる」ことが魅力のはずだ。しかし、ふたを開けてみたら総所有コストが高価になることもある。その理由を紹介する。
特定ベンダーの製品に依存せず、ノーブランド製品のスイッチやルーターを活用する「ホワイトボックスネットワーク」。前編「『ホワイトボックスネットワーク』の光と影 痛い目に遭わないためには」はホワイトボックスネットワークのメリットとデメリットを取り上げた。中編となる本稿は落とし穴になりがちな「コスト」の面を考える。
費用が発生するのは「移行」だけではない 忘れてはいけないコスト要因
併せて読みたいお薦め記事
話題の「ホワイトボックススイッチ」はどのような仕組みか
米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Groupのシニアアナリストを務めるボブ・ラリベルテ氏によると、ホワイトボックススイッチは故障の際のベンダーサポートがほぼ付いていない。そのため、大半の企業はホワイトボックススイッチではなく、サポートが充実しているパッケージ製品(ハードウェアとソフトウェアが一体の製品)のスイッチを選ぶことになるという。「ホワイトボックススイッチは低価格で販売されるため、サポートが手薄なのは当然だ」と同氏は述べる。
もう一つ、ホワイトボックスネットワーク導入の障壁になるのは、ユーザー企業の既存ベンダーとの付き合いだ。ユーザー企業はもしホワイトボックスネットワークに切り替えたら、既存ベンダーとの契約を解消することになる。その場合、契約解消料が発生する可能性がある。それにホワイトボックスネットワークの導入費が加わるので、全体的にコストがかさむのは避けられない。
ホワイトボックスネットワークは本来であれば、パッケージ製品の安価な代替品となることが魅力のはずだ。しかし上記のことから考えると、総所有コストが従来のネットワークより高価になることもある。「企業はどちらにするかを考える際に注意が必要だ」とラリベルテ氏は言う。
後編は、ホワイトボックスネットワークの普及を促すためにどうすればいいかを考える。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.