「Ruby on Rails」はなぜ開発者に愛されるのか:Rubyを知る【中編】
「Ruby」や「Ruby on Rails」を使ったアプリケーション開発にはさまざまなメリットがある。開発者は何に利点を見いだしてRubyを活用しているのか。
開発者がプログラミング言語「Ruby」に魅力を感じる要因の一つが、Webアプリケーション開発用フレームワーク(特定機能を実装するためのプログラム部品群)「Ruby on Rails」の存在だ。Ruby on Railsは、テストやエラー検出、デバッグなど、アプリケーション開発時の反復的な作業を減らすのに役立つ。アプリケーションの設計思想として、データ操作に関する開発とユーザーインタフェース(UI)設計を切り離すことが可能な「MVCモデル」を採用しているのが特徴だ。
「Ruby on Rails」はなぜ使われるのか そのメリットは
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「設定より規約を優先する」(CoC:Convention over Configuration)と「同じことを繰り返すな」(DRY:Don't Repeat Yourself)という2つの基本理念がRuby on Railsにはある。
CoCは、プログラム内のコンポーネントの命名規則(規約)を決めておくことで、関連する要素を見分けやすいプログラムを作成できるようにする設計思想だ。規約を優先させることで、開発者がコンポーネントに命名(設定)する手間を省略できるメリットもある。例えばクラス(データに対する操作とデータの集合)と、それに関連付いたテーブルがあるとする。これらのように互いに関連する要素には、Ruby on RailsはCoCの原則に基づき、クラスやテーブルの命名に同じ文字列を用いるという「規約」を適用する。DRYの原則は、特定のプロセスを単一の方法でしか記述できないようにすることで、個々の処理に対して開発者が同じソースコードを繰り返し書く必要性を減らす。
Rubyそのものには以下の長所がある。
- 明快で簡潔な言語設計
- プログラミング初心者にもコードが読みやすく、分かりやすい。
- 自動ドキュメント生成機能
- 他のプログラミング言語でプログラムを書き換える際に役立つ。
- パッケージ管理システム「RubyGems」
- パッケージ(拡張機能群)をインポートできる。パッケージを活用すれば、デバッグや認証などの作業時間の短縮につながる。
- 例外処理
- プログラムの通常動作を中断して、動作フローを例外処理フローに移す。
- ガベージコレクション
- プログラムのメモリ使用効率を向上させる。
- メモリの断片化対策メソッド「GC.compact」
- メモリの断片化によるエラーを防ぐ。
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