いまさら聞けない「キャッシュメモリ」の基礎知識 “脇役”でも重要な役割とは:メインメモリとキャッシュメモリはどう違うのか【中編】
「キャッシュメモリ」は「メインメモリ」に対して小規模ながら、快適なアプリケーションの利用に大きく貢献している。キャッシュメモリの仕組みや役割に光を当てよう。
データを記憶する要素として、コンピューティングを支える「メインメモリ」と「キャッシュメモリ」。メインメモリを取り上げた前編「いまさら聞けない『メインメモリ』の基礎 どのような仕組みか? 何に役立つ?」に続き、中編となる本稿はキャッシュメモリを解説する。
脇役でも重要な「キャッシュメモリ」の“あの役割”とは
キャッシュメモリとは、頻繁にアクセスするデータを一時的に保持するメモリを指す。キャッシュメモリはCPU(中央処理装置)内部またはCPUを含めたチップセットにある。実行中のプログラムが頻繁にアクセスするデータを保持するのが、キャッシュメモリの主な役目だ。
CPUの近くにあるキャッシュメモリは、少量ながら高速アクセス可能なメモリとして、滞りのないデータアクセスを可能にする。キャッシュメモリには主にL1キャッシュ(1次キャッシュ)、L2キャッシュ(2次キャッシュ)、L3キャッシュ(3次キャッシュ)の3種類がある。この3つは全て、データへのアクセスの遅延を減らすとともに、入出力を高速化する。アプリケーションの実行には基本、入出力操作が必要なため、キャッシュメモリがあればアプリケーションの処理や応答の速度は向上しやすくなる。
L1キャッシュはCPU内部に組み込まれ、CPUのデータアクセスを高速化する。L2キャッシュはCPU内部に組み込まれることもあるが、大半の場合、L3キャッシュと同様に、CPU隣接のチップに設けられる。CPU隣接チップにあるキャッシュメモリはCPUへの直接経路を持つことで、CPUとの距離に伴う遅延を抑えることができる。
後編は、メインメモリとキャッシュメモリを比較する。
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