「AIOps」のBigPandaが1億9000万ドル調達 投資家は何を期待しているのか?:TechTarget発 世界のITニュース
米国の新興企業、BigPandaは6回目の資金調達を終え、幅広い業種への提案活動に本腰を入れる。AIを使ったシステム運用の自動化ツールを手掛ける同社はなぜ今、投資家からの期待を集めるのか。
AI(人工知能)技術を取り入れたシステム運用手法「AIOps」のツール開発を手掛けるBigPandaは2022年1月12日(米国時間)、1億9000万ドルの資金を調達したと発表した。機械学習の研究開発や同分野の企業買収に充てる方針だ。営業やマーケティング、パートナーシップの体制も強化するという。
カリフォルニア州に本社を置くBigPandaは、システム運用の自動化を図るためのソフトウェアを提供している。同社のソフトウェアはAI技術によって大量データを分析し、システム停止につながりかねない異常を検出する。投資ラウンド(段階に分けて企業に投資する手法)における同社の資金調達は今回が6回目となり、ベンチャーキャピタルのAdvent InternationalとInsight Partnersが主導した。
企業評価額が12億ドルに なぜBigPandaの事業成長が期待されるのか
調査会社Cognilyticaのアナリスト、ロナルド・シュメルツァー氏によれば、システムが複雑化する中、AI技術を活用した運用作業の効率化が企業にとっての喫緊の課題だ。「BigPandaは今回の資金調達によって製品力を高め、医療や金融、農業など幅広い業種の企業への提案活動に注力する」とシュメルツァー氏はみる。
AIOpsツールはシステムを監視し、サイバー攻撃を早期発見することにも有効だ。ITコンサルティングのEnterprise Management Associatesでアナリストを務めるヴァレリー・オコンネル氏は、「セキュリティも含めた観点からAIOpsの導入ニーズが高まっていることが、BigPandaの事業成長の追い風になっている」と分析する。
今回の資金調達を受け、BigPandaの企業評価額は12億ドルになった。BigPanda以外にも、MoogsoftやDynatraceなどさまざまなベンダーがAIOpsを打ち出している。ただしシュメルツァー氏は、需要が旺盛なことを背景にAIOpsの定義が曖昧になっていると指摘する。
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