できるCIOは「スプリント」を重視――Gartnerが描く“未来志向”のCIO像:2022年の熱いIT投資先【前編】
IT支出は増加し、数年単位で進行するプロジェクトが主流になる――Gartnerは2022年のIT支出動向をこう予測する。こうした中でCIOに求められる考え方とは。
調査会社Gartnerは2022年1月、世界のIT支出動向に関する調査結果を発表した 。同社は企業のIT支出について、2022年に前年比5.1%増の約4兆5000億ドルに達すると予測する。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株による先行きの読めなさはあるものの、ビジネスのデジタル化への高い期待と景気回復が、企業のIT支出を促す材料になる。
“できるCIO”は「スプリント」を重視?
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「IT管理者は2020年、テレワーカーの急増に対処するという、途方もなく大きな仕事に忙殺された」。Gartnerで調査担当バイスプレジデントを務めるジョン・デビッド・ラブロック氏はこう述べる。
最高情報責任者(CIO)は2021年、自社のITシステムに関する信頼性や安定性を追求し、一時しのぎで用意したテレワーク関連システムを見直し始めた。2022年には、CIOは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としてのテレワーク移行を代表とする“当座の目標への投資”から、将来を見据えた“未来志向のIT投資”に回帰するとラブロック氏は指摘する。
新しい投資対象を模索する中でCIOは、幾つかの戦略を採用すると考えられる。その一つは、COVID-19のパンデミック(世界的大流行)のさなかに得た経験を、自社の長期的なIT投資計画と結び付けることだ。
ラブロック氏は「パンデミックの中でIT管理者は、『今すぐに対処が必要な案件』をやり遂げるために最適なスプリント(要件定義や開発、テストといった、システム開発における一連の流れを短期間で進める開発手法)を見いだした」と指摘する。CIOは将来的に、長期のIT投資計画の足掛かりをつかむために、短期間のスプリントを駆使するようになると同氏はみる。
後編は「IT人材不足」や「止まっていたIT投資の再始動」によって大きく成長する可能性がある分野を紹介する。
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