「Node.js」「.NET」どちらを選ぶ? 3つのポイントで比較:「Node.js」と「.NET」を比較する【後編】
Webアプリケーション開発に利用できる主なサーバサイドアプリケーション実行・開発環境には「Node.js」「.NET」がある。3つのポイントで両者を比較する。
「Node.js」と「.NET」は、どちらもWebアプリケーション開発におけるサーバサイドアプリケーション実行・開発環境だ。どちらを採用するのかは、開発プロジェクトのニーズに応じて決めるとよい。両者には異なる重要なポイントが幾つかあり、それが開発者にとっての選定の決め手となり得る。主な比較ポイントを紹介しよう。
比較ポイント1.リクエストの処理方法
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Node.jsは並列処理を可能にする「ノンブロッキング」I/O(入出力)を実行可能だ。ノンブロッキングは、処理を中断させずに他の処理に関するリクエスト(実行要求)に対処可能にする。ある処理の実行中に、その処理が完了したかどうかをプログラムが確認することで、こうした仕組みを実現する。ノンブロッキングとは反対に、ある処理の実行中に他の処理のリクエストを受け付けない仕組みを「ブロッキング」と呼ぶ。
.NETは
- 「async」「await」といった非同期メソッドの利用
- 非同期メソッドは、ある処理が完了したら呼び出し元のプログラムに完了通知をすることで、複数処理の並列実行を実現する。
- メモリの空き領域を自動で確保する「ガベージコレクション」によるメモリ管理
- 複数OSで稼働するバイナリファイル作成
が可能な点が特徴だ。.NETは「タスク並列ライブラリ」(TPL)により、同時処理するタスクのスケジュール設定と管理を簡素化できる。TPLは、複数のクラス(データや操作をまとめた「オブジェクト」の設計図)およびAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)で構成される。
比較ポイント2.コンテナの取り扱い
コンテナを使っていたり、仕様を検討したりしている企業は、コンテナに関してNode.jsと.NETを評価する必要がある。どちらもコンテナを扱うための機能を提供している。
Node.jsを使用することで、開発者はコンテナでアプリケーションを素早く再現したり、コンテナ数を増減させる「水平スケーリング」を迅速に実行したりできるようになる。Node.jsを使ったコンテナの水平スケーリングは、迅速な開発とマイクロサービスアーキテクチャ(アプリケーションを細かく切り分けた構造)のための機能だ。Node.jsではコンテナの中に配備したアプリケーションをプロセスレベルで水平スケーリング可能だ。開発者は要件に応じて、必要なときにアプリケーションが利用するメモリなどのリソースを追加、削除できる。
.NETでのコンテナはWebアプリケーションやモバイルアプリケーション、デスクトップアプリケーションを構築、配備するのに役立つ。.NETでは、Microsoftのコンテナ用OS「Nano Server」が、カスタマイズ可能なランタイム(アプリケーション実行に必要なソフトウェア)を開発者に提供する。このランタイムはOSを問わず、コンテナを高速に配備できるようにする。
比較ポイント3.ユーザーコミュニティー
どちらもオープンソースであるNode.jsと.NETには、それぞれに活発なユーザーコミュニティーがある。Node.jsのユーザーコミュニティーは着実な成長を続けており、フォーラムサイトや教材の他、さまざまな国際的な活動もある。
.NETのフォーラムサイトでは、開発者がさまざまな問題について議論し、ソースコードを共有している。ユーザーコミュニティーの力を借りることで、問題解決の手掛かりを入手しやすくなる。
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